映画やドラマを見ていても、細かい部分が気になるようになってきました
――ドラマの仕事をされて、映像と舞台の違いを改めて感じることはありますか?
舞台はこの役を自分ならどう表現したいのかを考えるのですが、映像はどちらかと言えば監督や演出がどう見せたいのかというのが大事だと感じています。舞台はどこか1人で役を見せますが、映像は雰囲気を含めて一緒に作りあげるというか…。なんか難しいですが違うものだと感じますね。あと瞬間瞬間を楽しむのも映像だと思います。舞台のように長い時間をかけて作りあげるものではないので。
――声や仕草などの表現の仕方も全然違いますよね。
舞台はやはり前を向いて届けることが大事ですが、映像は後ろを向いて背中を向けてもいいですからね。肩が震えているとか、相手の表情から見えていない人の感情が伝わったりして…。すごく面白いなと思います。
――改めて芝居の難しさなど感じていますか?
自分がどれくらい口を動かして話をしているのかなど、当たり前にしていたことがすごく気になるようになってしまいました。これまで意識していなかったのに気になりだしたら本当に分からなくて(笑)。あと映画やドラマを見ていても、そういう細かい部分が気になるようになってきました。今までは普通にストーリーを追って楽しめていたのに。今はいろいろ見て吸収したいという気持ちが強くなっていて。これが大きな変化かもしれないです。
――それこそ30歳になり何か変化は出てきましたか?
気持ちがすごくラクになりました。肩肘をはらなくなったというか。ある種、どこか諦めがあるのか、ここから劇的に何か変化することはないので、今の自分を受け入れてそれを大切にしようという思いが強くなってきました。変に周りに迎合しようとも思わなくなったというか…。あとがんばって人に好かれたいという思いもなくなってきました。やはり20代のころは前のめりだったんですよ。もうがむしゃらで。でもそれができたのは20代の特権だったんですよね。今は、そのときにがむしゃらにやった自負があるので、そこで得たものをきちんと発揮していくというか。仕事に関してもプライベートに関しても落ち着いてきたという感じです。ここからどうなっていくのか、今からすごく楽しみですし、自分に期待しています。
――あまり人見知りなどもなくなってきましたか?
そうですね。まぁいまだに女優さんとは何を話したらいいのか困ってしまいますが(笑)。あまりにも話題が見つからなくて、「猫派? 犬派?」みたいなどうでもいいことを話してしまうときはありますけれど(笑)。やはり同性の方が気軽に話せていいですよね。
――共演などがきっかけで仲良くなったりするのですか?
逆に共演以外で仲良くなることはほぼないですね。仲がいいのは、舞台で共演した松田凌や小越勇輝かな。今はちょっと難しいですが、ご飯に行ったり旅行したり…。僕自身、基本2ショットで会うのが好きなので、それぞれと遊ぶことのほうが多いです。4人以上だと、話をしていても2対2で話したりと分断することが多いじゃないですか。僕はそれがイヤで。なので、大人数よりも少人数好き。先輩だと大抵ソロで会っています。京都で撮影をしていた先輩の(木村)了くんから意外と早く終わりそうとの連絡を受けて、ご飯を食べるだけに新幹線に乗って京都に行ったことがあるくらい、仲良くさせてもらっています。了くんを含め、みんなと話をしているといろいろ刺激をもらえて楽しいんですよ。