小泉孝太郎「全ての医療従事者の思いを背負って」コロナ禍での病院経営描いたドラマに大きなやりがい
――今起きているリアルな医療問題をテーマにした作品に、役者として携わることへの思いは?
僕が演じる有原先生は、長野にある相澤病院の理事長・相澤孝夫さんという実在の医師がモデルとなっています。セリフを覚えて、相澤先生(有原役)を演じるというより、切実な医療問題の数々に、相澤先生がどれほど苦悩して葛藤されているかを、役を通して伝えなければいけないと連続ドラマのときから考えていました。
本作で、今僕たちが直面している問題である“コロナ”や、人口の5人に1人が後期高齢者となり医療がひっ迫していく“2025年問題”といった、リアルな問題を役者として伝えていくことには、プレッシャーもありますが、やりがいが大きいです。この作品に出会えた喜びを改めて感じます。
――ドラマを通して、コロナ禍での病院の経営危機や、地域医療の問題を知る方もいるかもしれませんね。
もしかしたら、コロナ禍でも病院は安泰で大丈夫なんじゃないかと思っている方は多いかもしれない。でもそうじゃない。コロナになって病院経営を維持することがいかに大変なことか、医療従事者の方が世のため、人のために尽力している中でも、さらなる苦境に立たされていることを、この作品を通して知っていただきたいです。
――連続ドラマ撮影時はコロナ前でした。コロナ禍を経験し、医師役を演じる上で変わったことは?
医療従事者の方には本当に頭が下がる思いです。日常生活を送る中でも、医療従事者の皆さん、日本全国の自衛隊員の皆さんのことが頭に浮かぶ時間が増えました。今まで以上に感謝の気持ち、尊敬の気持ちを持って、大切に役に向き合っています。その一方で“背負う”ものもあり、全ての医療従事者の方の思いを背負って臨んでいます。