できないことや生きづらさ、弱さと向き合う
向井と若林は、仕事や私生活での悩みや弱み、葛藤についてラジオで語り、できないことや生きづらさ、弱さとつねに向き合っている。
さらに向井にいたっては、弱さを番組で見せること(=武器にすること)についても、「“弱さ”を武器にしてきちゃった自分ってどうなの?ってなってくるんですよ。みんな弱い部分を出さずに戦っているなか、“弱さ”というものを武器にして、いつのまにかそれを振りかざしていないかなっていう目線で自分を見ちゃう」(TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」2021年3月11日放送)と葛藤している。
両者に共通するのは、“強者”としての立場ではなく、“弱者目線”でものごとを考え、発信しているという点だ。特に若林が「芸能人って“勝ち癖”がついてる人ばかり」と過去に述べたように、弱肉強食の芸能界を生き抜いてきた人間としては珍しいといえるだろう。
現在、多様性が求められる世の中であるが、その一方でSNSなどを中心に物事に対して「白黒つけがち」という側面もある。そういった世の中だからこそ、若林や向井は次世代MCとしての需要が高まるのではないか。
事実、若林は「激レアさんを連れてきた」(テレビ朝日系)、「オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。」(日本テレビ系)のように、変わった経歴や変わった特技を持つ人たちが出演する番組のMCも務めている。
向井も、かつてスタジオレギュラーだった「王様のブランチ」に、4月からスタジオメンバー(隔週レギュラー出演)として“復帰”するなど活動の幅を広げているが、今後さらにMCとして求められる機会が増えることだろう。