小2で「人生絶望」サトミツの挫折経験 人生を救ったラジオの存在 【連載:佐藤満春って何者?】

2021/08/17 12:00 配信

バラエティー インタビュー 連載


――幼少期はどんな少年だったんですか。

めちゃくちゃ暗くて友達も少ないし、勉強もスポーツもそんなには上手くできなかったですね。すべて中の中、もしくは中の下くらいでした。小学生の頃って「みんな頑張れば同じように成果が出る」「誰しも同じ才能を持っていて、努力すれば必ず結果が出る」って無意識に思ってるものじゃないですか?そこにいち早く疑問を持っていた嫌な小学生でしたね(笑)。サッカーを小1からやっていたんですけど、僕より後から習った人の方が僕より早くうまくなっていくし、どう努力しても勉強で勝てない友人がいたり。

――友だちも少なかったんですか?

根っからの人見知りだったので全然でした。小学校に入るときに、「小学校って楽しいものだ」という希望をもって入って、友達もできるものだと思っていたんですけど、そううまくはいきませんでした。1年間経てば何か変わると思ったんですが、特に何も状況は変わらず365日すぎて、小2の始業式のときに「これはダメだ」と思って絶望した記憶があります(笑)。

――人生に絶望するのが早いですね(笑)。

「あとこんな生活が5年続くんだ…。きついな…」って感じでしたね。いや、今考えたらもっと明るく楽しく生きろよ!と思うばかりなのですが。勉強ができるタイプでもない、スポーツができるタイプでもない。かといっていじめられていたかというとそうでもない。友達は少ない、0人ではないけど。まあすべて宙ぶらりんでした。

しかも、環境のせいだとはまったく思っていなかったので、自分で打破するしかなさそうだなと思ったら「人生、過酷すぎるだろ」と思って(笑)。とりあえずは人生の目標を「親と学校の先生に怒られないこと」に設定しました。摩擦を起こさない。波風立てない。誰のジャマもせずに生きていこうという非常に後ろ向きな(笑)。迷惑をかけたくないという意識はこのころからあって、今も強いかもしれないです。

サトミツこと佐藤満春※ザテレビジョン撮影

勘違いできるような瞬間は1回もなかった


――ただ、どこか人生に対して達観している様子は、今のサトミツさんとも通ずるものがありますよね。

小学校の頃から、みんな平等に同じだけ才能もセンスもあるわけないと思ったり、向き不向きがありそうだなと早い段階で感じていたんですね。どう考えても努力の総量と結果が見合わないというか…。真面目なのに勉強もスポーツもできない自分はコンプレックスの塊、そのものだったと思います。特に当時は勉強とスポーツがすべてでしたから、真面目で勉強もできないやつって救いようがないと思っちゃったんですよね、今考えたら全然そんなことないけど(笑)。

たとえば不良になってればもうちょっと楽しんでいたと思うんですが、真面目なので不良になる勇気もなかったし。努力を続けてれば何か形になるという何の確信もない迷信みたいな言葉を疑いながらも、そこにすがるしかなかったですね。誰も信用できないけど、みたいな(笑)。こう振り返ってみるとなんか嫌な小学生ですね、もっと無邪気に楽しめよ!といま思います、自分で(笑)。

――芸人さんですと、「自分は1番面白いと思って芸人の世界に入ったが、芸人になった後にもっと面白い人がいっぱいいて絶望する」という話をよく聞くイメージです。ただ、サトミツさんは小2の時点ですでに現実と向き合っていたんですね。

そうですね。お笑いに関しても、自分のお笑いの才能がすごくて天下とれると思ったことは、1回もないかもしれないですね。クラスのヒーローで勘違いできるような瞬間は1回もなかったです。

クラスの劇の脚本を書いたりしたのは小2からやってましたし、その評判はよかった気がするんですが、「先生が僕を励まそうとしてるんだろうな」とか勝手に推測しちゃって自分に過信する余裕もないし。あんな絶望の最中、よくやってるなと思ったんですが、好きだったんでしょうね、なんかモノづくりが。何かを考えるのは大好きでした。