「『天才』にしてしまった方が諦めがつくんです。というのも僕、『天才』には悔しいという感情を抱かないんですよ。だって天才なんだから」。
「おそらく彼らにも、僕らには見えない努力があって、積み上げてきたからこそ今がある。単に『天才』だから空から降ってきた曲を歌っているんじゃないって今は思います。『才』は違うけど、いろんなものを積み上げてきた人。今はそう考えられるようになりました」と、“天才”への思いを打ち明けた。
秋元康には「“悔しい”という感情を抱くんです」
つんく♂が驚いたもう一人の“天才”・宇多田は、つんく♂がプロデュースする女性グループ・モーニング娘。と同時期にデビューした。
モーニング娘。の1stシングル「モーニングコーヒー」がリリースされたのは1998年1月。そして、宇多田の1stシングル「Automatic/time will tell」のリリースは同年12月。「モーニング娘。をプロデュースし始めたころ、宇多田ヒカルさんが出てきて『あ、違うな』と思いました。『は!? 何これ!!』って絶句でした」と、その実力に大きな衝撃を受けたという。
当時、つんく♂はモーニング娘。にR&Bを意識した「Memory 青春の光」という楽曲をプロデュースしたが、「宇多田ヒカルさんが出てきたときに、『R&B的なところで勝負したらあかんわ』と思って速攻脳を切り替えました」。その後、モーニング娘。は王道のJ-POP路線でヒット曲を連発していった。
「最近のアーティストで天才だと感じるのは?」という質問には「米津玄師くんです。突然出現して巨大化したモンスターのようなイメージ」と答え、反対に“悔しい”という感情を持つクリエーターは「秋元康さん」と回答した。
「秋元さんを知れば知るほど“悔しい”という感情を抱くんです。『やられたー』『その手があったか!』っていつも思っちゃう。常に研究している姿を見るとリスペクトしちゃうし、『俺も負けんぞ!』って思います。すごいアンテナ力です」と称えた。
“天才”たちとの切磋琢磨の中で自身の生き方を見つめ続けてきたつんく♂。これからの時代を生き抜く力について、「令和の今、凡人においてその人生を考えるなら、(何か一つに秀でるよりも)いろんなジャンルにバランスよく精通している方がいいのではないかと考えるようになりました」「世に出るため一芸が必要だけど、残るのはバランサー」としみじみ語った。
毎週日曜夜10:00-10:54
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