――N・S高の特別課外授業で先生をやられることが発表されましたが、これも教育コンテンツに可能性を感じて“体験”する、ということでしょうか?
N・S高の特別授業についてはもっと壮大なことを考えています。今の日本は、20年前と比べたらいろいろな産業が海外に追い抜かれていることは、世の人も感じていると思います。例えば、今は中国がものすごい経済圏となっていて、アニメも今、まさに中国が参入して日本の制作ノウハウが研究されています。10年後はもう日本も危ういんじゃないかという話も耳にするようになりました。
――日本のアニメ・マンガのサブカルチャーは世界一だと信じたいですが…。
今はまだギリギリ日本のエンタメは通用しています。ですが、日本ではエンタメを「育てる」ということは全然できていないと思うんです。本当は国がやってほしいくらいですが、やはりジャパニーズコンテンツの強みであったサブカルチャー分野を、今第一線で活躍している30代40代のクリエイターが、若者世代に向けて育成をしていくことが、世界と戦っていくためには必要だと考えています。
――その第一歩としての「先生」なわけですね。先生としてのTom-H@ckは、高校生にどのようなことを伝えていくのでしょうか?
シンプルに、僕が学生の頃に知りたかったコトを教えたいです。「これを知っていたらもしかしてエンタメ業界を目指したかも」という人もいると思っています。学生の視点で見るとそういう重要ポイントは、多分色々あるんですよね。僕たちが当たり前に認識していること、例えばマネージャーって何をする人なの?とか、音楽は実演するアーティストだけでなく、作曲家やアレンジャー、エンジニアがいるんだよとか、音楽ひとつをとっても携わる職種は多彩にあります。そういう、普通の学生生活ではなかなか学べない音楽ビジネスやエンタメ全般を、わかりやすく噛み砕いて伝えることで少しでも若者たちの道しるべになることができればと思っています。N・S高の学生だけでなく、クリエイターを目指す人にも広く観てほしいので、授業は僕のニコニコチャンネル「Tom-H@ck音楽大学-特進クラス-」でも配信することにしました。
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