第70回読売文学賞を受賞し、累計19万部を超える平野啓一郎氏のベストセラー小説「ある男」が映画化することが分かった。妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝、清野菜名、眞島秀和、小籔千豊、仲野太賀、真木よう子、柄本明が出演し、2022年に全国公開される。
同作は、弁護士・城戸が、“ある男”の真実に迫っていく、衝撃と感動のヒューマンミステリー。主人公の弁護士・城戸章良(きど・あきら)を妻夫木が演じ、城戸に夫の身元調査を依頼する谷口里枝(たにぐち・りえ)を安藤が、里枝の夫となる谷口大祐(たにぐち・だいすけ)を窪田が演じる。
監督は、「愚行録」(2017年)でベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に選出され、「蜜蜂と遠雷」(2019年)では、毎日映画コンクール日本映画大賞、日本アカデミー賞優秀作品賞など多くの賞を受賞した石川慶氏が務める。
脚本は、「リアリズムの宿」(2003年)、「リンダリンダリンダ」(2005年)、「マイ・バック・ページ」(2011年)、「聖の青春」(2016年)などを手掛けてきた向井康介氏。石川監督とは「愚行録」に続き2本目のタッグとなる。
城戸(妻夫木)は、かつての依頼者である里枝(安藤)から、里枝の亡くなった夫「大祐」の身元調査の依頼という奇妙な相談を受ける。里枝は離婚を経験後、子供を連れて故郷に戻り、やがて出会う「大祐」(窪田)と再婚。新たに生まれた子供と4人で幸せな家庭を築いていたが、ある日突然夫が不慮の事故で命を落としてしまう。
悲しみに暮れる中、大祐の法要の日、長年疎遠になっていた大祐の兄・恭一(眞島)が訪れ、遺影を見ると「これ、大祐じゃないです」と言い放つ。愛したはずの夫「大祐」は、まったくの別人だったのだ。
「大祐」として生きた「ある男」は、いったい誰だったのか。何故別人として生きていたのか。城戸は、“ある男”の正体を追う中でさまざまな人物と出会い、衝撃の事実に近づいていくが、いつしか城戸の心にも他人として生きた男への複雑な思いが生まれていく。