――その中で見つけた17歳と、27歳の良さは?
映画を見る方にも考えてもらえたらいいなと思ったのは、リライフ研究所というのがある中で、海崎は27歳までの間につまずいている。でも、海崎は自分の高校生に戻っているわけではなく、見た目だけ若返らせて、今を生きる17歳の高校生の中に入れる意味を一緒に考えてほしいなと思います。僕が感じたのは、17歳は失敗することが怖くないこと。同級生や友達の仲間がいる中では失敗してもいい。すごい落ち込むし、心折れるんだけど、そこから立ち直るエネルギーがあり、その先の未来に希望を持ち、夢も持っている。いろいろなしがらみを気にしすぎて無いところもいいと思います。海崎は自分が正しいと思ったことを言って、会社をクビになってしまっているので。でも、高校生は臆病になる必要がないので、そこがいいと思いますね。27歳のいいところはまだ分からないんですけれど、大人は自由が多くて、そこがいいかなと思います。
――27歳という設定で研究され、苦労されたと思いますが、海崎のキャラクターで苦労した、もしくはやりやすかった点は?
海崎は27歳ニートという字面だけ見ると欠落しているように感じますが、すごく自分の意思があって、正義感があって、困っている人を放っておけない人間なので、面倒見の良さがある。その状態で17歳の中にポンっと入れられる。しかも1年間。冷めている人だったら、完全に線を引いてしまうと思うんですけど、海崎は人を放っておけない人間なので、気づいたら、みんなとの絆ができている。そして、日代さんに引かれている。海崎だからリライフに選ばれたのかなと思いました
――そういう面は中川さんの中にもありますか?
困っている人を助けてあげたいという面は、自分もそっちの方が好きなので、親しみを感じました。僕も何かしてもらうよりはしてあげたい思いの方が強いので、その気持ちは分かると思いました。
――撮影現場での雰囲気はいかがでしたか?
今回の現場はみんな共演経験があったので、仲良くなりやすかったですが、座長として現場を盛り上げたいという思いがあったので、積極的に空気をつくることを意識してました。
――「ごはんに行こうよ!」とかですか?
とはいえ、僕が最年少だったので、“俺についてこい”という感じではなかったですが(笑)、撮影の合間の食事中にみんなで話す機会をつくったりしてました。
――最後に、作品中で心に残っているセリフを教えてください。
「頑張ることを諦めるな」というセリフです。もともと会社の先輩の佐伯みちる(市川実日子)が海崎に言った言葉を、受け売りでみんなに伝えるんですけど、諦めかけていた海崎だからこそ言えた言葉。みんなに伝えながら、一番自分に突き刺さっていたと思うんですけど。自分みたいになるなよと思いながら、これから大人になるみんなに伝えたかったんだと思います。
――高校を卒業した中川さん自身にも刺さりました?
学生生活など終わりがあるものは、終わってから見えることがたくさんある。それはどんなに芝居で出し切ったと思っても、帰り道に感じることもある。でも、そのときその瞬間を精一杯やっていたら、それで良かったと思えると思うので、“それで良かったと思えるように今を大切に生きよう”という言葉は響きました。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)