“朝ドラ”こと連続テレビ小説「おかえりモネ」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。8月30日より放送された第16週「若き者たち」では、主人公・モネこと百音(清原果耶)の幼馴染・亮(永瀬廉)がふいに東京に来て百音に秘めてきた好意を示し、視聴者を「菅波(坂口健太郎)との関係はどうなる?」とざわつかせた。大人の男性で医師の菅波、同級生で漁師の亮。百音をめぐる 2人のキャラクターの魅力を、フリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が解説。百音と同じ状況になった場合、アナタならどうする?(以下、一部ネタバレが含まれます)
「モネ」は歴代朝ドラの“ドキドキ”ポイントを網羅
朝ドラのヒロインが 2人の男性の間で揺れることは少なくない。「あさが来た」ではヒロインあさ(波瑠)には申し分ない夫(玉木宏)がいるが、仕事で世話になっている五代友厚(ディーン・フジオカ)の眼差しに心を揺らした。
「純情きらり」ではヒロイン桜子(宮崎あおい※崎は「立つさき」)は婚約者がいる身ながら、姉の夫・冬吾(西島秀俊)と心の深いところで惹かれあっていた。
「なつぞら」では東京と北海道でそれぞれ別の相手と結婚したものの、ヒロインなつ(広瀬すず)にとって地元の心の友・天陽(吉沢亮)の存在は別格で……。
「モネ」の場合、この3作のハイブリッドである。「あさが来た」の五代があさに「私がハズバンドだったら……」と思わず言ったことがあるように「モネ」では亮が菅波の存在を知りながら百音に迫り、「純情きらり」の桜子と冬吾が特別な感情で結ばれているように、妹の未知(蒔田彩珠)から見たら百音と亮は「あの 2人は昔から通じ合って……」と感じる。
そして「なつぞら」のような幼馴染の強い絆が百音と亮にはある。このように歴代朝ドラのドキドキポイントを網羅している「モネ」。
だが気のおけない幼馴染の亮は百音に好意を抱きながら、震災で受けた傷が 2人を屈託ない恋愛には向かわせることはなかった。