声優と歌手で違う“声の出し方”「どう表現するのが良いんだろう」
――声優としての声の出し方と、歌手としての声の出し方は、やはり違うのですか。
そうですね、感覚的には異なります。声優として声を出す作業と歌を歌うことは、頭の働き方や筋肉の使い方が、自分の中では全然別物ですね。レコーディングでは、自分の声で歌うということへの不慣れさも自分に感じました。もちろん普段の自分も、うれしいときと悲しいときでは話し方が違うし、声優としていろんな役を演じさせていただいているので、自分の中の引き出しの数もなんとなくは把握しています。そういった中で、「果たしてこの曲を歌う時に、どう表現するのが良いんだろう」と試行錯誤しました。
――そういった試行錯誤がありつつも完成した楽曲を聴いたときは、どういう心境でしたか。
レコーディングするまでは「やらなきゃ、良いものをつくりたい」という思いに突き動かされていたので、精一杯でした。でも完成してから落ち着いて聞いてみると、「ちゃんと私の歌で楽曲を表現することができた」という実感がすごくありました。
その一方で、もちろん私が精一杯体当たりした結果ではあるんですけど、プロの方々の凄さを痛感しました。楽曲をつくっていただき、レコーディングではより良くなるようにディレクションをしてくださって。これからも作品を残していけるように頑張ろうと思いましたし、ひとつひとつの思い入れがすごく強いです。今までに味わったことのない感覚でした。
――デビューシングル「ハピネス」には3曲収録されています。それぞれの楽曲の魅力をお聞かせください。
「ハピネス」は中学生の頃から大好きな曲をたくさん作られていた、DECO*27さんに作詞作曲していただきました。メロディーも歌詞も、曲名の通り、すごく幸福感のある曲です。さらには、自分の周りに広がる景色を見つめて、幸せに向かって歩いていくという曲の姿勢が、自分の思いにも通ずるものがあります。すごく自分が大切にしていることを歌っている曲ですね。
「Popping Moments」はロックサウンドです。リズムのビートに、ボーカルで乗っかっていく爽快感を、レコーディングのときからすごく感じました。歌詞も素直で、青春ならではの真っ直ぐさを大切に歌わせていただきました。
「MY SPIRAL」は前奏から特徴的なデジタルサウンドが、耳にすごく残るんですよね。歌詞も「ぐるぐる」が印象的に繰り返されています。「これはどういうぐるぐるなんだろう」と、言葉を表現するという点でも、工夫しました。さらには、まさに今私がアーティストにも挑戦する中で、ぐるぐるしている様子にも重ね合わせていましたね(笑)。
――最後に、“歌手・岡咲美保”としての目標をお聞かせください。
10月3日に発売記念オンラインリリースイベントをYouTube Liveで開催するのですが、そこでミニライブコーナーもやります。自分の中ではお披露目というか、決意表明という気持ちが強いですね。すごくドキドキ、ワクワクしてますし、ライブのことで実は頭いっぱいです(笑)。これからについては、まずは自分が今回頂いた3曲を大切に歌い続けたいです。そのうえでの目標として、皆さんに元気や夢を与えられたり、いろんな気持ちにさせられたりする表現ができる人になりたいです。