主演男優賞は「ドラゴン桜」阿部寛! 『長澤まさみさんがいたからこの作品をやる勇気が出ました』
2021年4月~7月に放送された作品が対象の「第108回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞」で主演男優賞を獲得したのは、「ドラゴン桜」(TBS系)の阿部寛。かつて低偏差値の高校の学校再建を成し遂げた伝説の弁護士・桜木建二を16年ぶりに演じ、「やっぱりハマり役」と、時を経ても変わらない圧巻の演技が支持を集めた。一方で新時代の生徒たちとのやりとりや、昔の教え子との再会も話題を呼んだ。そんな阿部に、受賞の感想や今作への思いを聞いた。
――ドラマアカデミー賞で5回目の主演男優賞に選出されました。今作で受賞されたお気持ちをお聞かせください。
うれしいです。皆さんのおかげです。コロナで放送が1年近く延期になりましたが、こうして無事に終了して、皆さんに楽しんでもらえる作品ができたことに、心から感謝したいと思います。
――このコロナ禍の大変な状況で、情報解禁から1年程期間が空いたかと思います。いざ撮影や放送を迎えて、撮影までのお気持ちと、撮影がようやく始まり放送を迎えてのお気持ちを聞かせてください。
コロナ禍の環境は1年たっても変わらず、感染対策に最大の注意を払っての現場でした。われわれだけでなく、われわれやスタッフの方々のご家族の協力もあって、結果、一人の感染者も出さず乗り切ることができました。感謝しています。
――前作から引き続き長澤まさみさん、新キャストとして髙橋海人さん、南沙良さん、平手友梨奈さん、加藤清史郎さん、鈴鹿央士さん、志田彩良さん、細田佳央太さんらと共演されましたが、撮影現場で印象的だったことはありますか?
生徒たちとも撮影現場では楽しくやっていましたが、みんな必死でしたよ。日曜劇場という大きな重責をそれぞれがちゃんと理解し、そこに生まれる一瞬のチャンスをみんなつかもうと常に努力していた。長澤(まさみ)さんは常に現場で俺を支えてくれました。彼女がいたから、16年ぶりにこの作品をやる勇気が出ました。16年前の生徒役のメンバーも、難題を越えてみんな快く出演してくれて、再会がうれしかったのは言うまでもありません。もちろんデビ(デビット伊東)も(笑)。
――今作では生徒も不良ではなくなり、桜木への反抗にも変化があったと思いますが、桜木の生徒への対応に影響はありましたか。また、演技ではどのようなことを意識されましたか。
前作では、生徒に対してもっとクールに接する桜木の魅力がありました。今作では、生徒を信じる大人の桜木がいたと思います。桜木としての演技では、「自分が関わった生徒を最後まで信じる」「そのためには歯に衣着せぬ言動を繰り返す」「生徒との強い信頼関係を築くために努力を惜しまない」ことを意識していました。
――撮影前の取材で「桜木にも僕にも16年という年月がたっていて、自然としわが刻み込まれている」「より人間深い作品になれば」と仰っていましたが、16年を経て桜木としての演技にはどのような変化がありましたか。
良いか悪いかは分かりませんが、前作から16年という年を重ねたことによって、人間味のある展開になったと思います。この賞を頂けたことで、自分はまた桜木を演じられたんだなとうれしかったです。
(取材・文=小田慶子)