大事なのは“個性を受け入れていく”こと
――取材の中で最も印象に残っていることはなんですか?
桑田さんとMattさん親子に取材する中で、当たり前のことなんですけど雰囲気やしぐさがよく似ているなと思いましたね。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985年)で、主人公が過去に戻って、昔の自分の父親とカフェで遭遇するんですけど、そこで同じしぐさをしているっていうシーンがあるんですね。まさにそのシーンを実際に見たような気分でした(笑)。
僕の視界に映るお二人が本当によく似ているんです。イメージでは桑田さんとMattさんって似ていない印象だったんですが、(実際にお会いすると)非常に似ていると感じました。きっと根本にある考え方ですよね、お二人とも自分の好きなことを突き詰めていく方なので。
――今回はどういった部分を中心にインタビューされたんですか?
桑田さんがコーチになられたので、選手の指導法、教育法をお伺いしました。でもそれはMattさんに対する教育法も同じなんですよね。「個性を尊重して、伸ばしていく」ということだと思うので、貴重なお話を聞くことができました。
桑田さん、Mattさんがいきなり金髪になったときは本当に驚いたそうです。それでも、その変化を否定することなく“受け入れていく”っていうことは、親子とか選手とコーチとかではなく人として大切ですよね。
いろんな人の個性を“受け入れていく”っていうことは世の中にとってすごくいいことなんじゃないかなと思います。
――東山さんご自身が指導やアドバイスをする際に意識していることはありますか?
スポーツと芸能だと少し表現方法が違うと思うんですが、僕の場合基本的には“褒める”。桑田さんと一緒で、その人自身がもっている個性を大事にするようにしています。
芸能っていうのはファンの皆さんがついていますから、きっとその人の個性が好きだと思うんです。なかなか正解がないので難しいんですよね…。でも、そうやってついてきてくれているファンの方々を満足させられるようなパフォーマンスに至るまでの“プロセス”が大事だと思います。
でも、今の後輩たちはみんなしっかりしているから「そういう取り組みしてるんだ」とか、逆に僕の方が発見は多かったりしますね。(後輩たちが)動画サイトやVTRを見て研究したりしているという話を聞きますが、すごいですよね。
やっぱりこの世界では“勉強熱心な人”が勝つと思うんです。探求心を持っている後輩たちが多いので、「負けてらんないな」と。