濱田「観に来てくださる方には私の全てを吸い取っていってほしい」
真彩:「濱田さんのこの作品を観たい」とか、「濱田さんが歌われるこの楽曲を聴きたい」という方が日本中にたくさんいらっしゃると思うんです。私自身もその一人なので…!
ぜひ、濱田さんを求めていらっしゃる方々に向けて、濱田さんが今、日本のミュージカル界に伝えていきたいことを教えてほしいです。
濱田:私、自分のためにやることってまったく興味がないんです。だから舞台に立つ時も「観に来てくださる方々のためにどうしようか」って考えていて。仕事が休みの時は家で全くなにもしないし、犬と遊んでいるだけなんですよ(笑)。
台本を開く時はいつも観に来てくださる方のため、相手役さんのため、あとは作品を作ってくださったスタッフさんたちのためです。私がこうしたいからこうする、っていうことは全くないですね。必要としてくださる方に、自分をすべて与え切るっていう感じなんです。必要としてくださる方がいなかったら、私が存在する意味もなくなるので、観に来てくださる方には私の全てを吸い取っていってほしいんです。
真彩:私もずっと「必要とされているからこの世界にいられるんだな」って感じていて。でもふと、それって本当は自分を大切にしてないのかなとか思ったり、いや…それが舞台に立つ意味だしなって考えたりして…。
濱田:演劇の神様は、クリアで頑張り屋な人を選ぶじゃない? 光を届けたいのに、そこに陰りがあったら屈折してしまってテーマが伝わらないから…。ただ、そういう人は素直だし、傷つきやすかったりする。でも、それでもいいと思うんですよね。最終的に、人生の最後に何も後悔しないようにするのが一番だと思っています。
真彩:なんだか、お話を伺ってほっとしました。私も仕事で人と関わっている限りは、明るくエネルギッシュにいたいと思うんですけど、1人になるとどうしても考えこんじゃうんです。
濱田:わかります。普段はシンプルに何も持たずに生きた方がいいんじゃないかな。しんどくなる瞬間はきっと来るだろうし…(笑)。でもそれは全部舞台に関わることなので、それを乗り越えた時にようやく準備万端になるんですよね! それでいいんだと思いますよ。
真彩:ありがとうございます! どうしても聞きたかったことが沢山聞けたので、本当によかったです!
濱田:手放して楽にね。時間だけはみんなに平等にあるので。またお話ししましょう? 今度は私がお話を聞く側でご一緒したいですね(笑)
真彩:わぁ! 聞いていただけるように、これからも頑張ります!