――撮影で印象に残っているシーンをお聞かせください。
吉田:最後の高台の夕日のシーンがとても美しくて、本当に奇跡のような絶景が目の前に広がっていたので、何だか気持ちがグッと入って感動的でした。出来上がりがすごく楽しみです。
奥平:風もちょっと強かったですけど、すごく気持ちのいい場所でしたね。
――親子役を演じるにあたって、事前に準備したことや工夫したこと、意識したことは?
奥平:僕はあまりないですね。一回親子としてお芝居をさせていただいているので、何もしなくても、現場の空気とか出来上がっちゃうのかと思いました。
吉田:実際、そうでしたよね。
奥平:絵コンテをもらって、想像とかはしましたが、本当に現場ですんなりとできました。
吉田:今回、監督がそれぞれの人物設定を細かく作ってくださったんですよ。どこの大学出身とか、普段の会話はこういう様子だとか、近所の奥様たちの私の評価は至ってごく普通の方ですよ、みたいな評価とか。それを基に実際の自分と照らし合わせて、厚子さんという今回の役柄にはあって、私にないもの、その逆も然り。そうやって少しずつイメージしていきました。
――介護や介護保険について、今回の撮影を通じて思ったことや考えが変わったことは?
奥平:僕はおばあちゃんと一緒に住んでいるんですけど、介護保険とか、今まで何も考えたことがなかったので、他人事じゃないんだなと思いました。別々に住んでいると、あんまり話すこともないと思うんですけど、僕は毎日絶対おばあちゃんと会うし、とても仲がいいので、考えちゃいましたね。
吉田:大ちゃん、すごくやさしいもんねぇ。おばあちゃん子って感じがする。
奥平:よく言われます。
吉田:若いけど、ちょっと昭和な雰囲気もありつつ、何か昔の良きものを知っている若者っていう感じする。
奥平:うれしいですね。
吉田:今回は実際に介護指導の方に指導していただいたんですけど、人を一人抱えるって50~60キロぐらいあるじゃないですか。なので、普段から体を鍛えている人でも相当な力仕事だなと思いました。また、介護になる状態って、だいたい突然で準備ができないじゃないですか。そういう心の負担も大きいんだろうなと思いましたね。
その中でこういう介護保険があるというのは、せめて金銭的負担を減らせるという意味で、介護する側もされる側も安心なんだなと思いました。
――今回のCMで演じた役どころとご自身がリンクするところは?
奥平:僕も反抗期というか、お母さんとあんまりうまくコミュニケーションが取れなかった時期はありました。前回の現場でもそういう役で、共感できるところは結構あったので、そういう中でお母さんとちょっと話したくない、嫌いなわけじゃないのに、なんかうまく表現できないみたいな距離感は同じなのかなと思います。役の真司もおじいちゃんとすごく仲が良くて、おじいちゃんとおばあちゃんの違いはありますけど、そこは僕との共通点なのかなと思いました。
――「しっかり頼れる介護保険」ということで、頼りがいがあるなぁと思ったものや頼っているは?
吉田:私はマネージャーさんですね。すごく思慮深くて、多角的に物事を見てくださる方で、新しいアイデアとか、自分が思い及ばない発想が生まれるので、ものすごく助かっています。
奥平:僕はおばあちゃんですね。お腹すいた時にはご飯を作ってもらうし、お洋服のリメイクも、最初はおばあちゃんから教えてもらっていたんですよ。裁縫が得意なので、ミシンの使い方とか分からないことがあると、おばちゃんに「ちょっと教えて」と頼ることが多いですね。
吉田:去年、ドラマのクランクアップの日に「羊さん、お世話になりました」って、手編みのマフラーをくださったんですよ。すごくないですか?それも、おばあちゃんに教わって。
奥平:頑張って作りました。
吉田:しかもおそろいなんですよ。親子で。そんな息子、います?感動ですよ。びっくりしちゃった。その気持ちがうれしかったです。
奥平:手編みは大変でしたけど、僕の身近にそういうことができる人がいないので、おばあちゃんにはすごく助けてもらいました。
吉田:個性になるよね。
奥平:そのおかげで、趣味が広がりました。
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