原誠ディレクターが感じた“家族の絆”「私には、その姿が羨ましく思えます」
――実際に取材をスタートさせてから、濱口さん一家と一緒に過ごしていて感じたことを教えてください
濱口さん一家は本当に明るくて…大変なこともたくさんあると思いますが、撮影中は笑いが絶えません。常にポジティブで、取材現場は、とても居心地がいいんです。動画をご覧になった方の中には、道化師様魚鱗癬という病を「可哀想だ」と思う人もいるかもしれません。しかし、ご家族と一緒に過ごしていると、可哀想だとは決して思わないんですよ。家族の絆が見えるといいますか…私には、その姿が羨ましく思えます。配信映像を見ていただくと、私が抱いた感情がきっと伝わるはずです。
取材する私たちとご家族には、「道化師様魚鱗癬を多くの人に知ってもらいたい」という共通の目的があるんですが、それだけでなく、ご家族の明るさや前向きな姿勢も伝えられたら、多くの視聴者の方が勇気づけられるのではないかなと思っています。
私にも賀久くんと同じ4歳の子どもがいますが、濱口さん一家のように、あんなお父さんになれるか、あんなお母さんになれるのか…自分に置き換えて考えてみると、ご両親の考え方や行動力のすごさが分かります。真似しようと思ってもなかなかできません。現状をしっかり受け止めて、いま、何ができるか？何をしていくべきか？をじっくり考えて、前向きに行動するのが濱口さん一家です。取材を通して私の仕事や生活を顧みることにも繋がったように感じます。
「今の様子を継続的に伝えることで、応援してくれる人たちも増えていくんじゃないか」
――取材は、最初からこのような長い期間で行われる予定だったのですか？
ニュース番組の特集やドキュメンタリー番組は放送日や放送時間帯が決まっているので、基本的には、ある時点からある時点までを区切って放送せざるを得ないんです。そのため、当初は濱口さん一家の取材も“区切る”予定でした。賀久くんの幼稚園の入園式前後を取材し、地上波で放送しました。放送の反響は非常に大きく、道化師様魚鱗癬を知ってもらうきっかけになったと思います。
その一方で、視聴者の中には、その後の成長も気になる人もいるんじゃないかという疑問もありました。放送枠の関係で、やむを得ずカットした映像もありましたし、道化師様魚鱗癬について、まだまだ伝えるべきことがあると感じました。
我々の都合で、取材の期間を決めるよりも、現在進行形で賀久くんの成長記録を届けることで、視聴者も濱口さん一家の喜怒哀楽をその都度、共有できます。賀久くんの今の様子を継続的に伝えることで、応援してくれる人たちも増えていくんじゃないかという期待もあり、現在の定期配信に至りました。撮影後、すぐに編集して配信することを心掛け、なるべくリアルタイムで見ていただけるようにしています。
取材を受けるご家族は負担も大きいはずです。取材する我々は、ご家族の邪魔だけはならないように寄り添っていければと思っています。
定期配信型ドキュメンタリー「ピエロと呼ばれた息子～道化師様魚鱗癬との闘い～」第1話
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