コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、アフリカを中心に社会問題にもなっている“密猟”をテーマにした漫画「アンガーデッド」をピックアップ。専門家によると、アフリカゾウはあと一世代の内に絶滅する恐れがあるというほど、その数を減らしているという。そんな中、昨今は「SDGs(持続可能な開発目標)」の理念が世界的にも広まりつつあり、“密猟”の撲滅も「SDGs」が掲げる目標の一つとして、改めて問題意識が高まっている。(※作中の一部に刺激の強い表現があります。ご注意下さい)
女性サファリガイドが密猟者と正面から戦う社会派漫画
1900年代には500万頭いたアフリカゾウは、2010年代には10分の1となる50万頭にまで激減。その主な理由は、生息地の減少のほか、象牙の採取を目的とした密猟と言われている。
南アフリカ共和国でサファリガイドとして活動する夏目アイラは、ある日密猟の現場に出くわす。武装した密猟者集団を追い払ったが、すでに多くのゾウが生きたままに象牙を削り取られ、犠牲になった後だった。そんな中、幸いにも一組のゾウの母子を保護することができ、無事に新たな群れに戻すことにも成功した。後日、ガイドやレンジャーの仲間とレストランで食事をしていると、一人の男性が相席になった。その男性は、何気ない会話の中で、動物保護活動に対する疑問をアイラたちに投げかける。「生きていくためならば、密猟をしてもいいのか」「飢えに苦しむ人は大勢いるのに、なぜ彼らを助けに行かないのか」。答えに窮するアイラたちだったが、実はこの男性は、先日出くわした密猟者の一人だということが発覚する。その一件があった翌日、アイラは気持ちが晴れないままサファリガイドの仕事をしていると、突如嫌な予感に襲われる。直観的にゾウが密猟者に襲われていることを察知したアイラは、銃声の聞こえる方へ走り出す。そして、現場に到着したアイラが見たものとは…。
漫画家のトラ太郎さんが手がける「アンガーデッド」は、自身のブログや電子書籍サイトなどで不定期連載をしている。Twitterで「みんなにもっと知ってほしいアフリカの話」の言葉と共に作品を投稿した際には、密猟という社会問題の一面をとらえたセンシティブな内容に、作品を読んだ人たちから密猟問題に対するさまざまなコメントが集まった。今回は、この「アンガーデッド」の作者であるトラ太郎さんに、創作のきっかけや作品に込めた思いを伺った。
