「(瀬々監督の現場では)自分の可能性を探らせてもらえる」
阿部:僕も覚えていないです…(笑)。佐藤さんのお話を聞いていて、確かに、このセリフっていう一行二行のそこだけのことはあまり考えていないなと。シーンで言うと、今回殺人事件がキーとなっているので、その事件現場がすごく記憶に残っていますね。瀬々さんの作品ですから、そこもすごく生々しく描かれているので、印象的でした。
――お二人はそれぞれ過去にも瀬々監督作品に出演していますが、今回監督からかけられて印象的な言葉はありましたか?
佐藤:基本的には、とにかく芝居を自由にやらせてもらえるので、今回に限らず毎回一緒なんですけど、「特に何をどうこうしろってことじゃないけど、もう一回お願いします」みたいな感じで、同じシーンを何テイクかやらせてもらえます。
ほかの現場では、だいたい「ここをこうして欲しいから、もう一回」みたいな感じでもう一回の理由を言われるので、「なるほど、そこを修正するのね」という意味でのリテイクなんですけど、瀬々監督はそうではないんですよね。瀬々監督から芝居に関して、「ここをもうちょっとこうして」みたいなことを言われたことがほとんどないので、「もう一回」と言われると、僕なりにいろいろと試すことが出来たりして、自分の可能性を探らせてもらえます。どのテイクが良かったかは監督にお任せしますという感じで、初めて完成したものをみて、どこが使われているかわかるんですよね。
阿部:僕も同じですね。瀬々さんからは、最初に「だいたいこういうような感じでやるので、こう動いてください」みたいな軽い指示はあるんですけど、そこから先は全部僕たちに任せてくださるので。結構テイクを重ねる監督なので、何度もチャンスをいただけます。毎回ワンカットずつ丁寧に積み重ねていけるので、あとはもう監督を信じてやっています。
10月1日(金)公開
出演:佐藤健 阿部寛 清原果耶 林遣都 永山瑛太 緒形直人 吉岡秀隆 倍賞美津子
監督:瀬々敬久
脚本:林民夫 瀬々敬久
原作:中山七里「護られなかった者たちへ」(NHK出版)
音楽:村松崇継
主題歌:桑田佳祐「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」(タイシタレーベル/ビクターエンタテインメント)
企画:アミューズ
配給:松竹
公式サイト:movies.shochiku.co.jp/mamorare
(C)2021映画「護られなかった者たちへ」製作委員会