――これまでの20年を振り返ってみて、佐久間さんにとっての転機は?
「一番大きいのは、やっぱり『R-1ぐらんぷり』(※2011年大会で優勝)ですね。自分がやってることに『これでいいのかな』と思ってしまう時期もあったんですけど、『R-1』で優勝したことで、『これでいいんだ』と思えるようになりました」
――「R-1」優勝以降で、ネタの作風は変わりましたか?
「去年の『一番楽しいところ』とか『何をやっているのかわからないが演出ですごいと思うしかないSHOW』みたいな感じのネタは、昔だったら『これ、やんない方がいいかな』って思ったりしてたんですけど、今は『これ、やっちゃおうか』ってグンと押せるようにはなりましたね、自分の中で」
――では、この20年での自分自身の変化は?
「無我夢中でやってて、自分では変わったとか分かんないんですよね。20周年っていうのも、自分ではあんまり実感なくて。周りも20年もやってるって誰も思わないかもしれないですね。『R-1』で優勝したのが15年目だったんですけど、そのころ、(間)寛平さんがルミネで僕のネタを見て『晴れてるなぁ』って言ってくれたんですよ。ネタを見た感想が、『面白い』とかじゃなくて『晴れてる』って。それがすごくうれしくて。(桂)文枝師匠も、『15年やってると、もっとくすんでるはずなのに、それが全くない。垢がない』って言ってくれたんですよ。ありがたかったですね」
――「垢がない」のは、なぜだと思います?
「分からないです。でも、“ザ・芸人”みたいなドロっとした感じが好きじゃないから、自然とそういう方向には行かないっていうのはあるかもしれない。でも、1年目、2年目のころは、『芸人だからこうしなきゃいけないのかな』とか思って、いろんなことやりましたけど。コンパにも行かなきゃいけないのかなと思って行ったんですけど、カラオケで『イェーイ!』ってノリをやんなきゃいけなかったりして、客観視するとすっごい恥ずかしくなってきて。『イェーイ』って言ってる自分がイヤになってきて、こういうのは合わないなと思ったんですよね。そういうこともあったな~」
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