百音に“退路を断つ”覚悟を問うたのでは
亮がなぜ百音に冷たくなったのか。
震災で家と母を失い、父親の心も壊れてしまうというヘヴィーな状況下、耐えに耐えて穏やかに過ごしてきたものの、8年が経過してとうとう限界が来てしまったのかもしれない。
その前に東京にふらりとやって来て「わかってんでしょ」と百音の腕を掴んだときもちょっと影を帯びていたので、突然ではなく徐々に徐々に彼に影の分量が増えていたと推測することができそうだ。
当事者でないとはっきりしたことは言えないが、どんなに前向きに生きていても元の生活に戻ることのできないストレスは拭えないだろう。
そんな時、外の世界に出ることができた百音にどれだけ本気で地元の現状に向き合う気があるか突き詰めたい気持ちになるのも無理はない。
うまくいかなかったら東京に戻ることができてしまう百音に、退路を断つ覚悟はあるのかと亮は問いかけたのだと思う。
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