窪田正孝主演のドラマ「4号警備」(NHK総合)が、4月8日(土)夜8.15からスタートする。
同作では、民間の警備会社による身辺警護“4号警備”の最前線が描かれる。窪田が演じる警備員・朝比奈は、一見ノリの軽い今どきの若者だが、高い身体能力を誇る元警察官。実はある挫折をきっかけに警察を退職していて、依頼人を守ることへの思いは人一倍熱い。朝比奈は、コンビを組むことになった中年警備員・石丸(北村一輝)と共に、反発し合いながらも依頼人を守り抜く。
そんな窪田を直撃し、見どころの一つとなるアクションシーンや、初共演の北村とのエピソードを語ってもらった。
――犯人との格闘など、アクションシーンの多い作品ですが、現在まで演じてみての感想はいかがですか?
長回しが多い監督で、特にロケの時はリハーサルにあまり時間を割かず、長回し一発で決まることも多いので、そこに一球入魂のつもりでやっています。
――過去の作品でもさまざまなアクションに挑戦されていますが、今回の作品でのアクションはどのようなものですか?
あくまで大きなお芝居の中でのアクションなので、自分の役を崩さずにやりたいということはいつも思っています。今回演じる朝比奈は民間人ですから、過度な暴力は許されず、正当防衛の範囲で戦わないといけないんです。だから、基本的には殴ったり蹴ったりという攻撃ではなくて、護身術のような相手の動きを制する戦い方になります。そういったところは意識して作っているので、伝わってほしいです。
また、1つのアクションシーンでも2日間くらい練習の時間を取って、細かくアングルやカット割りの確認をしています。武器を持っている相手が多いのですが、ナイフのさばき方一つでもいろいろあって、アクションチームの思いを感じながら演じています。
――初挑戦のアクションはありましたか?
朝比奈は格闘技ジムに住んでいる設定なのですが、ジムで格闘技の練習をしているシーンはハードですね。初めてヘッドギアとマウスピースを付けましたし、六角形の金網に囲まれて総合格闘技をやるシーンもあって。金網って思ったより固いんですね、痛いしあざになるし…見るのとやるのは大違いだなと思いました(笑)。
あとは、2話では壁をよじ登るシーンでワイヤーアクションがあって、ワイヤー自体は以前にも経験があるのですが、ダイナミックな映像になっていると思います。体がガタガタなので、そろそろアクションを減らしてほしいですけど…って、冗談ですからね(笑)。
――演じる朝比奈は一見明るい若者ですが、過去にトラウマを抱えているなど奥深い役。演じるにあたって気を付けていることはありますか?
メリハリですね。警備会社の方は、1年くらいの長いスパンで訓練や指導を受けるそうで、僕も講習を受けさせてもらったのですが、敬礼や“右向け右”といった礼式をやった時に、警備員同士の連帯感や、“統率の取れた集団でないといけない”という意識が湧きました。
作中の描写は少ないかもしれないですが、朝比奈もそういった警備員としての根本を持っているはずなので、そこを押さえつつ、朝比奈として崩していくことを考えています。
――相棒となる北村一輝さんとの共演の印象を教えてください。
北村さんは、僕にとって初めてのタイプですね。僕自身は、演技について「ああしよう、こうしよう」という会話を普段あまりしないタイプなのですが、北村さんは気さくに話しかけてくれます。言葉にしてくれるのがうれしいですし、自分もどんどん返そうと思います。あとは、当然ですが、「お芝居が好きなんだな」というのを強く感じます。作品全体を捉えていて、監督のやりたいこともすぐ見抜かれるので。
アクションに関しては…冷静に見て、僕より北村さんの方が強そうに見えますよね? その北村さんが、運動神経の悪い石丸を表現するために動きを“崩していく”作業が、見ていてすごく説得力があるなと思います。個人的には、最終回では思いきり戦ってもらって、「めっちゃ、強いじゃん!」と突っ込みたいです(笑)。
――撮影の合間は、どういったお話をされていますか?
(カードゲームの)ウノなどをやりました。結構待ち時間があるので、一緒にコンビニに行ったら、たまたまウノがあって。共演者みんなでやったのですが、北村さん、めちゃくちゃ弱いんです(笑) 。勝手に賭け事に強いイメージがあったのですが、あのギャップはいいですね。
――今回の作品を通して、“警備”という職業に新たな発見はありましたか?
警備にもいろんな種類があって、“4号警備=身辺警護”もそうですが、工事現場で交通誘導をしている方や、ジュラルミンケースを運んでいる方も警備の仕事なんですよね。僕自身もこれだけジャンルが広いということを初めて知りました。視聴者の皆さんにも“警備”という仕事に少しでも興味を持って知っていただいて、ドラマと織り交ぜて、この仕事の難しい部分というのも伝わればいいなと思います。
――土曜8時台のドラマですが、視聴者にどのように見てほしいと思いますか?
1回約30分という凝縮された時間の中で、アクションなどのエンターテインメント要素はもちろん、朝比奈という男の過去や内面も描かれます。彼はあるトラウマを抱えているのですが、それが人との出会いによって、だんだんと克服されていく、次第に素の自分に戻れる…そういうところは伝わってほしいですね。
でも一番は、誰にでも守りたい大切なものがあると思いますが、それを再認識してもらったり、純粋に4号警備が知られたりする、きっかけになればいいのかなと思います。
4月8日(土)スタート
毎週土曜夜8.15-8.45
NHK総合にて放送