「ジャヒー様―」の世界観と私らしさを込めました
――「ペタルズ」にはこだわりもたくさん詰まっていそうですね。
はい。初のタイアップをいただけたからには全力で「ジャヒー様はくじけない!」の世界観に寄り添おうと思いました。ただ、私が歌わせていただくことの意味も意識したかったですし、音だけでも楽曲の世界観がしっかりと伝わる楽曲として表現できたらいいなとも考えていて。頂いた「ペタルズ」という素晴らしい楽曲に、ジャヒー様の世界観と私らしさを歌声で込めることにはとてもこだわりましたし、作曲家の本多友紀さんをはじめとしたスタッフさんみんなでディスカッションもしながら制作しました。
――具体的にそのこだわりをお伺いできますか?
「ジャヒー様はくじけない!」には魔王役で出演しているんですが、「ペタルズ」の出だしの〈今日、今から私が世界の中心です〉の部分を言い切る感じにしたりと、役のイメージを込めています。あと曲自体はすごく華やかなんですけど、エンディングなので切なさのようなものも表現しようと思いました。
「ペタルズ」は人との出会いだったり、バイト終わりの感情だったり、意識しないと忘れてしまいそうな日常の中で感じる気持ちを舞い散る花びらに例えています。「ジャヒー様はくじけない!」でも第2クールに入ってから、主人公のジャヒー様が一瞬一瞬の大切さに気付き始めたんですよね。そのリンクは大切にして、楽曲の中でうれしいことも悲しいことも儚く過ぎ去ってしまう切なさをどう表現するかにはすごくこだわりました。
具体的に言うと1サビ。〈瞳 揺らす色彩は〉の〈揺らす〉はテストでは地声で歌っていたんですが、あえて裏声に変更しまして。その後に出てくる〈移り変わる〉は同じキーですが、地声で出しているんです。儚さやエモさを出したくて、エッセンスを入れました。「揺らす」という単語もファルセットボイスに合うので、響き的にもマッチしたと思います。アニメのエンディングでも聴けるところなので、チェックしてみてほしいです。
――細かな部分まで考え抜かれているんですね。「私が歌わせていただくということの意味も意識したかった」とおっしゃいましたが、ご自身で感じる“岡咲美保らしさ”とは何だと思いますか?
お手紙やSNS、YouTubeのコメントで「明るい声色が素敵」、「美保ちゃんの歌声を聞いて毎日仕事を頑張っています」、「背中を押してもらいました」と言っていただけて…パワーやエネルギッシュな明るい部分は自分らしさの一つかなと思います。実際2ndシングルまでの6曲を俯瞰的に捉えると、「明るさ」はキーワードになると思います。ただ「明るさ」に固執するのではなく、曲に寄り添いたいという気持ちのほうが強いです。1曲1曲に寄り添うことで、細かな違いを含めていろんな顔を見せられるようになりたいですね。