映画「幕が下りたら会いましょう」(11月26日[金]公開)の完成披露上映会が11月9日に都内の劇場で行われ、舞台あいさつに出演者の松井玲奈、筧美和子、しゅはまはるみと前田聖来監督が登壇した。
同作品は、過去と現実、さまざまな出会いと再会の“揺らぎ”の中で主人公の麻奈美(松井)が成長していく物語。松井にとって映画単独初主演作となる。
実家の美容室を手伝いつつ、鳴かず飛ばずの劇団を主宰している劇作家の卵、麻奈美の元に東京で働いていた妹・尚(筧)が死亡したという知らせが入る。麻奈美が劇団員の結婚祝いで集まって馬鹿騒ぎをしていた夜に、尚は資材置き場で亡くなっていた、というストーリー。
舞台あいさつでは、松井が映画単独初主演について「初めて主演を一人で任せていただけるということでプレッシャーも大きかったんですけど、物語の中では麻奈美という一人の女性が軸となって進んでいくので、『“主演がどう”とかではなく、劇場の皆さんが麻奈美の家族の話を目撃して感じるものがあったらうれしいな』という気持ちでいっぱいです」と明かした。
また、役について「お芝居をしていく中で、『(麻奈美は)感情の起伏がある人なのかな』と感じていたんですけど、監督から『とにかく感情を抑えてほしい』と言われていて、最初はそれが難しくて戸惑いながら本読みをしていたんですけど、だんだんと麻奈美と自分がリンクしていく中で、『抑えることによって、あふれ出す瞬間というものがあるんだな』と思って、演じている中で今までに経験したことのない感覚に陥ることができました」と告白。
一方、筧は「生きている時間が短かった役なので、なかなかヒントが少なかったのですが、松井さんに抱きしめられるシーンがあって、その時に麻奈美のいろんな感情がぶわ~っと伝わってきて、鳥肌が立ったんです。その日は私の撮影初日だったのですが、松井さんの抑えていたものがあふれてきたのを感じて、私が尚という役を作る上ですごく助けになりました」と語った。
◆取材・文=原田健