――美穂を演じる上で不安はありましたか?
本読みの段階までは、“パパ活をしている女の子”をコミカルに演じようと思っていたのですが、監督が求めていたのは、パパ活をしている面白い女の子ではなく“リアルな美穂”。
「美穂が生きていくためにたまたましているのがパパ活だっただけ」と伝えられて、自分の中と監督が描くものとの間のギャップがとても大きかったので、撮影が始まるまで「演じられるかな……」と不安でした。
私、本読みの時に本当にボロボロでパニックになってしまって……。みな実さんが受け止めて寄り添ってくれたんですよね。
――それはどういった形で?
「あなたはできないんだから」と突っぱねるのではなく「一緒に考えよう」と言ってくださって。せりふを一緒に読んで「意地悪に演じたいならこういう感じ、強い女性を演じたいならこういう感じ」と、分かりやすく教えてくれたんですよ。
家に持ち帰ってもひとりで答えを出せるかが分からなかったので、アドバイスをくださって本当に助かりました。きっと、それがなかったら美穂を演じ切れていなかったんじゃないかなと思うくらい。
女優の先輩であるみな実さんが声をかけてくださったのもうれしかったですし、周りのいろんな状況や人をしっかり受け止められていて、強くて素敵だと思いました。
――実際の撮影現場の雰囲気はどうでしたか?
すごく夢みたいな場所でした。飲み会やギャラ飲み、パパ活という想像があまりできないシーンばかりだったので、一つひとつの場面が不思議でしたし、「本当に今起こっていることなのかな」とフワフワしていました。
他のお三方とはほとんど一緒のシーンが無かったので、皆さんがどういう風に演じているかを本当に知らなくて。実際に完成したものを見て、自分が演じた美穂含め、それぞれの心の葛藤の描き方がリアルで「4人ともすごい」と思いました。
――完成した作品を見てどう感じましたか?
一番最初に思ったのは、率直に「本当に良い作品だな」ということ。台本は読んでいましたが、実際に映像で繋がると、自分の中への入り方や心への刺さり方が違いました。
自分自身の演技への不安点はたくさんありましたけど、その不安を飛び越えるくらい作品として素晴らしいなと感じました。