脚本賞は「ハコヅメ」根本ノンジ氏! コロナ禍の放送で『コミカルパートは毎話意識的に入れていた』
「第109回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」脚本賞を受賞したのは、「ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜」(日本テレビ系)を手掛けた根本ノンジ氏。「監察医 朝顔」(2019年ほかフジテレビ系)、「サ道」(2019年ほかテレビ東京系)など話題作を手掛け、ドラマファンからも注目されている。
根本氏に受賞の感想を聞くと、「賞をもらうこと自体、あまり経験がないので驚きました。これも原作者の泰三子先生、キャストとスタッフの皆さんのおかげです」。
本作については、「元警察官の泰先生が描いた警察のリアルが詰まったエピソードに、藤(戸田恵梨香)と川合(永野芽郁)のコンビもの、川合の成長物語を縦軸として展開させつつ、『警察官もごく普通の人間だ』をテーマに描きました」と語る。
こだわった点は、「コロナ禍での放送だったので、とにかく明るく楽しめる内容にすること」。そこで、「『絶対笑ってはいけない通常点検』などのコミカルパートは、毎話必ず意識的に入れるようにしていました」と明かす。
さらに、「キャストの藤らしく圧倒的な存在感を放っていた戸田さん、姿形まで川合らしさ全開だった永野さん、笑いとすごみを見せてくれたムロツヨシさんをはじめ、全員の最高の演技に感動しました。最終話で藤の同期の女性が警察を辞めないと決心し、一同が笑顔になる場面を見て、このドラマを描いて本当に幸せを感じました。警察の寮生活まで描いた本作は、日常のリアルにこだわる僕にとっても、やりたいことが合致したドラマだったと思います」と、自身にとっても納得の作品だったと語った。
(取材・文=小田慶子)