――最初に脚本を読み、どんな印象を持たれましたか?
学校生活において、こういうセクシャリティの話は身の回りにも当たり前にあることだと思いました。僕も学生時代には知らず知らずのうちに他人を傷つけてしまったこともありましたし、学校ならではの部分をリアルに表現できたらいいなと。そして作品に共感し、見てくれた方がリアルに捉えることができたらいいなと思いました。演じているからではないんですけど、個人的には小野という役が一番共感できますね。
――クラスのリーダー的存在の小野を演じるにあたって、どういったアプローチをされましたか?
どちらかと言えば普段はいじられるタイプなので、クラスのリーダー的存在の小野というキャラクターを作ることは難しかったです。撮影前はとにかく学園モノの作品を見て参考にしました。学園モノにはだいたいクラスのリーダー的存在が登場しているので。「ごくせん」(日本テレビ系)とかを見て、リーダーってこういう感じなんだなと、想像を膨らませました。マネをするわけではなく、あくまで参考にして、自分が思うクラスのリーダーを目指しました。
――特に演じていて難しかったところは?
草野(翔吾)監督に「小野は“王様”的な感じ」と言われて、役作りに苦戦しました。僕は学生時代にあまり友人と群れたりしなかったですし、みんなをまとめたりするのが苦手だったので。
でも、今作では年長者ということもあって引っ張っていかなきゃと思っていたので、撮影していないときもなるべくクラスメートと話したり、頑張って共演者をいじってみたりするように心掛けました。
――監督の演出で、具体的に印象に残っているものは?
初日の最初のシーンで、段取り確認だけなのに10回くらいNGを出してしまって…(笑)。最初に撮ったシーンは、亮平(前田旺志郎)が純(神尾)の股間をつかんで、後ろから来た僕が「おまえら本当に仲いいな」って言うシーンだったんですけど、あまり深く考えずにセリフを言っちゃっていたんです。
でも、監督はそのセリフにもしっかりとした意図があって。あまり嫌味になり過ぎず、かと言って寄り添い過ぎない、という。セリフ一言一言が本当に大事なんだなって学びました。
――2人の仲が良くてうらやましいという感情もあったんでしょうか?
うらやましいというよりは、“王様感”じゃないですけど、ちょっと上から目線の感覚ですね。あの一言につまずいたのが一番印象的でした。完成後に映画を見たときも、「あのシーンがくる!」ってドキドキでしたから(笑)。最初のシーンだったからめっちゃ緊張していました。
――小野は終始ブレない、真っすぐなキャラですよね。どうしても学生だと周りに流されちゃいがちですけど、三浦さんの学生時代はどうでしたか?
ブレることはなかったと思いますけど、みんながしゃべらない時、真っ先に意見を言うのは正直苦手でした。周りの空気を読んじゃうところはあったので、そういう意味でも小野をリスペクトしています。格好いいなと思いますよ。
――友達からも一目置かれるタイプですよね。でも、ジェットコースターでは意外な一面も(笑)。
そうですね(笑)。ジェットコースターは苦手っていう、かわいらしいところもある人。遊園地での撮影の時は、もうみんなとかなり仲良くなっていたので、撮影というより一緒に遊びに行った感覚でした。撮影の合間も今流行っているゲームで遊んで、本当に楽しかったです。小野はともかく、僕はジェットコースターが大好きなので、もっと楽しみたかったですけどね(笑)。
――神尾さんや前田さんとのシーンが多かったと思いますけど、お二人と共演されていかがでしたか?
3人の中では圧倒的に僕の経験値が少なかったので、お二人との芝居は「勉強させていただきました!」という気持ちが大きいですし、今もリスペクトしています。旺志郎くんは常に現場で楽しそう! ふざけていますけど、お芝居を心から楽しんでいる感じがよく分かりました。
カメラの前でお芝居すること自体慣れていないし、緊張するし、楽しむ余裕なんてなかったんですけど、旺志郎くんを見たら「こんなに楽しそうにしていていいんだ」って肩の力が抜けました。本当にいろいろと学ばせてもらって、感謝しかないです。
――神尾さんは、放送中のドラマ「顔だけ先生」では先生(神尾)と生徒(三浦)役ですよね(笑)。
順番的には映画の撮影が先だったんですけど、クラスメートから先生になったのですごく変な感じがしました。でも、楓珠くん自体は全然変わってないんですよ。僕との関わり方のスタンスも、なぜかすごい上からだし(笑)。
年齢で言うと僕の方が上なんですけど、4つ上の先輩ぐらいの感じで絡んでくるんです。僕としてはそっちの方がやりやすいんで、ありがたいですけど、常にいじってくるというか、バカにしてくるというか、見下してくるというか…。でも、居心地は良かったです(笑)。楓珠くんは一貫してあの感じで、僕は大好きなので、これからもずっとあのスタンスでいてほしいです。
下に続きます
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