真彩「圭吾さんのイメージは打ち上げ花火100発連続という感じ」
吉野:俺、(真彩と)作り方が似ていると思ったよ。
真彩:えっ!本当ですか?
吉野:歌の中で、感情をすごく細かく刻んでくることがあるじゃない?素晴らしいなって。
真彩:ありがとうございます!すごくうれしいです!
私も上手くやるだけではなくて、舞台から届けるという意味を常に考えています。宝塚の下級生の時、舞台に立ったら「声がサラサラ~としてるから、何を言っていても温度が全部同じ。血が通ってない」って言われたんです。無難に上手く歌って、100%ではあるけど120%は目指さないっていう感じだったんですよね。
それですごく悩んで、それを意図せず打破したせいで喉を潰しちゃって…。上手く歌うことよりも、その先にある表現方法を血眼で探している状況でした。
でも、そうやって圭吾さんが似ていると言ってくださるということは、子供のころから圭吾さんを観て研究していたからかもしれないですね!
そして私の中での圭吾さんのイメージは打ち上げ花火100発連続という感じで(笑)。
吉野:あはは(笑)。
真彩:でも情熱的だからといって、赤一色じゃないんです! 出てくるせりふや、踊り、全てがショースターだと思ったんですよ。だから歌手になりたかったと聞いて、驚きました。
私の中のイメージだと、圭吾さんはダイナミックな身体の使い方と優雅な身のこなしからダンスがメインの方なのかなと。
吉野:20代の頃は全然歌も芝居も認められなくて、踊りの仕事ばっかりだったんです。いつもダンサーとして扱われていて、どうしたらダンサーから抜け出せるんだろうってずっと思っていた。でも、踊ったり身体を動かせる部分も武器ではあったし、踊りも結局は内面の表現だから。
真彩:圭吾さんは歌もダンスも素晴らしくて…! 舞台役者として何でもござれという気持ちがあるからですかね?
吉野:そうだね、何でもやれることが基本だよね(笑)。
真彩:それができる方というのはやっぱり限られている気がするので、色々な作品の上演が決まるたびに「あ!この役、圭吾さんで観たい!」ってよく思います。
「ドン・ジュアン」で騎士団長(亡霊)役が再演も圭吾さんとお聞きしたときは私、小躍りしちゃって(笑)。子どもの頃から憧れていた方とご一緒できることもうれしかったですし、お稽古が始まってからも子どもの頃の「この人すてきだ!」って思った時の気持ちって、やっぱり間違ってなかったんだなぁと…。
吉野:よかったー(笑)。会ってみたらとんでもない人だった…なんて思われたらどうしようって思っていたから(笑)。
真彩:そんな(笑)! 私、小さい頃に観た舞台のチラシとか、今も全部持っているんですよ。
観劇記録も残していて、チラシと一緒にメモを入れているんですけど、「ダンス オブ ヴァンパイア」を観に行った時のメモに「市村正親さんに最後手を振ってもらった」って書いてあったんです。で、2枚目を見たら「吉野圭吾さんの歯が光っていた」って書いてあって(笑)。
吉野:(笑)。
真彩:人を楽しませたい! 楽しんでもらいたい! という気持ちは私にもあるんですけど、圭吾さんはその気持ちを教えてくださった師だなと思っています!