「かまいたちの番組の中で『掟』が最も面白い」と評する人も
そんな「掟」だが、残念ながら地方番組の性、予算が極めて少ない。常に工夫を凝らしてスタッフが資金を捻出する涙ぐましい努力も見どころの一つで、番組第2回でかまいたちがどハマりしたカードゲーム「ゾン噛ま」をビジネスチャンスと見るや、番組で60個仕入れ販売して数万円儲けるなど、地元の名士・田部長右衛門が社長のテレビ局とは思えない爪に火を灯す運営が続く(番組では何度も田部長右衛門について触れられているのだが……)。
しかし、かまいたちのコロナ感染時にピンチヒッターで「掟」ロケをこなしたアインシュタイン河井が「あんなに(スタッフ)みんないい人の番組あんねんな」と評したように、島根の番組スタッフの士気は高い。
ゆるすぎるシチュエーションで実力がのびのび発揮されるという意味で「かまいたちの番組の中で『掟』が最も面白い」と評する人もいる。月一回毎回日帰りで四本撮りという厳しいスケジュールだが「掟」はきっとかまいたちにとって最も自由で優しい場所だ。
2008年の雑誌インタビューで山内は、大阪と島根の違いについて「島根にはツッコミがないので、誰かが面白いことを言ってもみんなヘラヘラして終わる」と語っていた。
島根の人は確かに大阪のようにツッコミはしないかもしれない。しかし、かまいたちの卓越した笑いの技術を今後も優しく少しヘラヘラしながら見守ることだろう。
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