今後地上波オンエアNG!? 衝撃ドキュメンタリー映画「さよならテレビ」日本映画専門チャンネルでテレビ初放送
——作品の中では、ご自身も取材対象者になっています。自分が被写体になることをどう考えていたのですか?
あまり深く考えてはいなかったです。カメラマンの采配というか、自分も撮ってくれとは言っていたんですけど、どういう場面でディレクターを入れ込むかはカメラマン次第。僕が叱られている時とか、意図的じゃないですけどメディアの悪い部分を表現(自ら体現)している時とか、そういう時にはカメラマンは僕を入れ込んで撮影をしていたと思います。
このテーマでやる以上、自分も絶対被写体になるべきだし、取材対象が抱えている問題と同じ問題を抱えているので、自分だけ撮らないということはあり得ないなと思っていました。取材対象とフェアな関係でありたいなと思ったのと、あなたたちも傷つきますけど自分も同じだけ傷つきますよと。
必要以上に自分を悪く見せるとか、露悪的にはしなかったですけど、等身大の悪さ、汚らしさが出ていると思います。
——ここは本編に入れたくないなというところもありましたか?
やっぱりラストの、同僚を揶揄(やゆ)しているというか、「いい絵が撮れた」と口にしてしまっているところはホントは入れたくなかったですね。「お前はそういう思いで仕事しているのか」ということも言われましたし、そこで軽蔑されたり、がっかりされたところはあるかなと思います。けど、それはまぎれもない自分の姿なので。本当は出したくなかったですけど、編集マンの高見(順)から「使おう」と言われて。
——編集の決定権もスタッフと対等なのですね。
はい、対等です。下手したら僕の方が下くらいですね。年齢もカメラマン、編集の方が上、キャリアも上ですし。幹の部分で、自分自身も悪いテレビマンだから、それを表現したいですよということを伝えてあったので、だったらラストのシーンを使うよね、ということです。ある意味では彼らは僕のお願いを聞いてくれたということになります。
——土方監督のドキュメンタリーを制作する上での心構えはどんなものですか?
あまり肩に力を入れないということですね。ドキュメンタリーを撮っているんだ!とか、特別なことをやっているとか、何かを世に訴えるぞとか、表現するぞみたいな気負いを持たない方がいいと思っています。
テレビ局、エンターテインメントの業界で20年やって来ているんで、自然にテクニックのようなものが出てくる。それが染みついていると思うので、現場では「ドキュメンタリーを撮る」「何かを表現する」ということを必要以上に意識しない方がいいと思っています。最前列で見ている観客じゃないですけど、そこで「見ている」ということですね。
——次のテーマは決めているのですか?
取材はしているんですけど、うまくいっていないという状況ですね。
——それはコロナの影響で?
というよりも、見切り発車し過ぎたということですかね(笑)。なかなか撮らせてくれる人ばかりじゃないので、こればかりはしょうがない。いいものが撮れるかどうか、ドキュメンタリーは取材対象次第のところはあるので、出来ることはやっておいて「待つ」しかないです。
日本映画専門チャンネル
12月13日(月)
深夜1:00「さよならテレビ」※本編後に土方監督インタビューあり
深夜3:10「死刑弁護人」
12月14日(火)
深夜1:00「ヤクザと憲法」
深夜2:45「ホームレス理事長 -退学球児再生計画-」
12月15日(水)
深夜1:00「人生フルーツ」
深夜2:40「神宮希林」
12月16日(木)
深夜1:00「樹木希林の天国からコンニチワ」
深夜2:45「樹木希林の居酒屋ばぁば」
深夜3:50「樹木希林のジブリとばぁば」
深夜4:55「樹木希林のばあばとフルタチさん」
※「さよならテレビ」は、12月24日(金)昼5:00~にも放送