<ドクターX>内田有紀&監督・田村直己スペシャル対談「米ちゃんはすごく『ひろみちこ』を気に入っている」【前編】
内田有紀を監督・田村直己が絶賛!
――10周年を迎えた今の率直な気持ちを教えてください。
内田有紀:「ドクターX」が始まった当初は10周年を迎えるとは思っていませんでした。こうして10周年を記念して田村さんと対談するとは思ってなかったので、幸せを感じていますし感慨深いです。
田村直己:(内田とは「ドクターX」の現場が)初対面だったので、どんなふうに役に対してアプローチをする方なのかが全く分からない中で、一緒に博美というキャラクターを作ってきました。この間、有紀ちゃん演じる博美がメインとなる第8話(12月2日[木]放送)を撮影したときも、改めて10年間、博美というキャラをここまで作り上げてきたんだなと感じました。10年間で博美も含めすべてのキャラに深みが出ましたし、それが10年間の重みにつながっているようにも思えます。
――田村さんから現場で内田さんにアドバイスされることはあるのでしょうか?
内田:田村さんとは役について現場で会話をたくさん重ねることはあまりないです。会話が少なくてもお互いが何をしたらいいかというのが分かっていて、10年という期間、ありがたいことにずっと一緒に仕事をさせていただいているので、私の性格から私自身の芝居の特徴というのを理解してくれています。
田村:有紀ちゃんは俺が「こうしてほしい」「こうしたら博美が一番おいしくなる」という考えをちゃんと理解してくれるのが早い。有紀ちゃんもそうだし、レギュラーのみんなもよりよいドラマにするための嗅覚が優れている。よりよいドラマを作るという目標が同じモチベーションで保てていることは何よりもすごいことだとも思います。
10年もたつとキャラクターがドラマの中で成長し、一人歩きする部分があるんです。もちろん中園ミホ先生たちが書く台本は面白いですし、そこをベースにすることに変わりはないのですが、劇中でキャラクターが成長したことで台本上だけでは描き切れないよりリアルな描写を表現することが必要になってきたりもします。
さらに言えば、10年間同じキャラクターを演じることで、それぞれにキャラクターが染み込んでいますから、「このキャラはこれはやらない」「これをやらなければならない」ということも出てくるので、すり合わせるというのが10年間続ける中で一番大変なことだとも思います。
内田:「例えば、西田(敏行)さんが10年かけて作り上げた蛭間院長というキャラクターを、「ドクターX」を初めてご覧になられる視聴者の方へも伝わりやすく演出することが、田村さんがやってくださっていることなんです。シリーズを重ねるごとにみんなに染み付いている完成されたキャラクターをさらにブラッシュアップしていくのという所が結構大変ですよね?
田村:大変なんです…。皆さん、しっかりした俳優さんたちであり、主役を張るような方たちなので、自分の考えも持ってもっている分、「こうしたい」「こう思う」という気持ちも強いんです(笑)。