――予告シーンでは能面を付けている藤代たちが登場してきました。それはどういう意図だったのでしょうか?
意図は全くございません!(笑)。 ただ一つお伝えできるのは、鶴橋監督のト書きや演出はそういうものが多いということです。自分が思い描いていることを表現したいという思いがあって、ト書きに書いていたりします。今回は、スペシャルドラマということもあり、撮影期間が短く、鶴橋監督のやりたいことは周りから大反対されていたんです。
限られた時間しかないという中でも、何でもないシーンであったとしても自分が大切だ、大事だと思ったことを、最後までこだわりを持って「これをやりたい」「こうしたい」と意思表示として、ト書きに書くという鶴橋監督が大好きなんです。
だからこそ、鶴橋監督が作品の監督として、諦めなければならない状況に陥ってしまった時に、鶴橋監督の演出が好きな私と渡辺さんで「(能面のシーンなど)これは絶対にやりましょう」と背中を押しました。その日、やりたいことが表現できた鶴橋監督はすごく満足そうでこちらまでうれしくなりました。インパクトのあるシーンになったのでやってよかったなと思います!
――水川さんと山本さんとの共演はいかがでしたか?また2人が演じるキャラクターにはどんな印象がありますか?
すごく楽しかったです! 水川さん演じる千寿は次女らしく、ちゃっかりしている所はしていて最後には一番いい所を持っていくようなキャラクターだなと思いました。藤代の性格が次女の千寿のような性格であれば、矢島家はそんなにもめなかった気もします(笑)。
藤代が長女になってしまったことによって、ドロドロした遺産相続につながってしまったんだなと。藤代は自分では総領娘には向いていないけれど、長女として生まれてしまったがために、やらざるを得なくなってしまい、家がぐちゃぐちゃになってしまったんだと思います。
三女の雛子を演じる山本さんは、水川さんとはまた違ったアプローチをしてきたので、同じ藤代の妹でも違うのだなと思わされました。雛子は叔母さんがいなかったら「私この家なんてどうでもいいから出ていく」といっていたと思うんですよね。そっちの方がのびのびできますし(笑)。でも叔母さんにだめよって言われて囚われている。
それぞれ悩ましいことはあっても、千寿には旦那が、雛子には叔母さんという味方がいる。でも藤代にはそれ(味方)がいない、味方がいる妹たちを藤代はすごくうらやましがっています。
――最後に見どころを含め、視聴者の方にメッセージをお願いします。
寂しさを埋めることに必死なって、不倫をしちゃったり、悪い男を見抜けなかったり、そういったちょっと不器用な藤代の長女らしさがいとおしい部分でもあります。多分すごくイタイ女に映っていると思います。藤代がハマってしまった伊藤(英明)くん演じる芳三郎によるキラースマイルにも注目していただきつつ、藤代らしさを堪能していただければと思います。ぜひご覧ください。
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