“厳しい声”は「ありがたい」、「こういう仕事だから仕方ない」との割り切りも
――そうだったのですね。先ほど20代を振り返り、「楽しい10年間」と表現されましたが、その中で不安になったり辛くなったりしたことはありませんでしたか。
もちろんありました。でも私自身、かなり不安症で色々と考えすぎてしまうほうだからこそ、周りにどう思われるかよりも、まず自分が楽しむことを大切にしてきましたね。
――周りからどう思われるか、気にされないんですね。
たまにネット上とかで傷つくようなことを言われても、「確かに」と納得することも多くて(笑)、わりと「ありがたいな」とも思うんです。そういう厳しい意見って、大人になるにつれて身近な人から言われなくなるじゃないですか。もちろん事実と違うことを言われたりして、やるせない気持ちになることもありますが、ある程度言われるのはこういう仕事だから仕方ないなと割り切っていて、それはそれで楽しんでもらえたらいいという感覚でいます。「かわいい」って言われたすぐ後に「不細工」って言われたりすることもあるわけで、価値観って人によって全然違いますしね。
“あいまい”な20代から30代に…「年相応に年齢を重ねていきたい」
――写真集の話に戻りますが、今作のテーマは「あいまい」とのことですね。
そうなんです。20代ってちょっとフワッとしてるじゃないですか。色々なことに全力になるし、失敗もする。その中で、自分がどういう人間か分かってきたようで、分かってなかったりもする。そういった“ブレ”みたいなものは、20代だからこそ許されるところが絶対あると思うんですよ。今回撮影したカットを見て、その曖昧な感じがよく映し出されていると感じましたし、20代最後のすごくいいタイミングで写真集を撮影できたと思いました。
――「あいまい」だったという20代を踏まえた上で、間もなく迎える30代をどんな10年にしていきたいと思いますか。
もっとしっかりしようと思いました。いつか結婚して子どもを産んだりするかもしれないし、ずっと一人でいるかもしれない。将来どうなるかは分からないですけど、ブレることのない女性としての強さ、人としての強さを身に付けていきたいです。周りにいる30代の方がすごいキラキラしている人ばかりというのもあって、年齢を聞かれて「30歳です」と言えるのが今から楽しみです。
――結婚のお話が出ましたが、やはり意識されるものですか。
そうですね。私は母親を尊敬していて、憧れの存在でもあるんですけど、その母が「子どもを産んでからすごく自分も変わった」と言っているんです。自分よりも大切なものができることで自分中心の人生ではなくなり、色々な価値観が変わると言っていて。だから私も人生の中でいつか経験できたらいいなと思ったりもします。ただ、この仕事は本当に楽しいから、仕事を優先してバリバリ働くって選択肢もあると思います。まあ、どっちでもなるようになるかなと(笑)。
――結婚といえば、現在、ABEMAの恋愛番組「私たち結婚しました2」にも出演されています。
今回番組に出演してみて、結婚は恋愛と違ってあまり波がないという印象も受けましたね。帰る場所があることで、本当に安定していて落ち着く感じで。そういう場所があれば、仕事もよりしやすくなるのかな、より色々なことが楽しくなるのかなとも思いました。
――昨年12月3日のInstagramでは「年齢とともに笑いジワ増えるよねぇ でも、それも自分の大切な一部分と最近思うようになりました」と綴られていました。年齢を重ねることに対して肯定的になったという側面もあるのでしょうか。
そうですね。最近は、いい意味で年相応に年齢を重ねていきたいという気持ちになっています。今回インスタに投稿した時も、「シワはいっぱい笑った証なんだよ」と言ってくださる方もいて。本当にそうだよなって、すごく共感しました。あんまり若く見せ過ぎず、年齢相応な外見でいるほうが、見てくれている方とのコミュニケーションが取りやすいのかなとか、共感する部分が増えるのかなとも考えたり。「人は年齢じゃない」とも言われますけど、生きてきた年数を恥ずかしがる必要はなくて、むしろ誇れるものだと思っています。
文=こじへい