12月15日、アニメーション監督・新海誠が最新作に関する制作発表記者会見を東京・帝国ホテルで行った。ヒロイン声優はまだ決まっておらず、オーディションもまだこれからという状況ということで、「君の名は。」のヒロイン・宮水三葉役の上白石萌音が、「天気の子」のヒロイン・天野陽菜役の森七菜と共にゲストとして登壇した。
最新作のタイトルは「すずめの戸締まり」。日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉めていく少女・すずめの解放と成長を描くロードムービーとなっている。
上白石は「今日は最新作の製作発表という晴れの舞台に来ることができてとても光栄に思っています。監督の横でマイクを持つと、『君の名は。』の製作発表を思い出します。手が震えるほど緊張していたんですが、隣では新海さんの大ファンの神木(隆之介)さんが饒舌に話をしゃべっていて、『ここから何かすごいことが始まるのかな』って思いました」と回顧。
そして会場を見わたし「あれから随分時間が経って、あの時より会見の会場が大きくなり、記者の方の数も多くなり、まぎれもなく、これは今の新海誠監督の最新作なんだと実感しています」と感慨深げな表情を浮かべ、「私が登壇したことを知ったら、きっと神木さんは歯を食いしばって悔しがると思います(笑)。今日は幸運なファンとして、新海ファミリーの一人として、この時間を過ごさせていただきたいと思います！」と挨拶した。
最新作が製作されることを知った時の気持ちを聞かれると、「嬉しかったです！一体どんなものになるんだろう？って思いましたし、スパンがいつもよりも早いのかなって思って、監督、寝られてるかな？とか、いろんなことを思いながら、一ファンとして早く観たいと思っていました。でも、まさかその製作発表の場にいられるなんて思ってなかったので嬉しいです」と笑顔を見せた。
一足先にVコンテを見た上白石は、「めちゃくちゃ面白かったです！」と答え、「Vコンテって、まだ色もついてなくて鉛筆で描かれた状態に新海さんの声が吹き込まれているものなので、完成からはまだ遠いものなんですけど、その骨組みだけでも一瞬でした。圧倒されましたし、ストーリーに魅力がありました。これまでの“新海イズム”を保ちつつ、また新たな扉を開けられたという感じがして、すごくゾクゾクしてあっという間に拝見しました！」と興奮気味に感想を伝えた。
Vコンテを観た感想については、「いろいろあるけど、解決しないことってないのかなって。明けない夜はないというか、今も不安定な世の中で、常に不安があって、どんなに幸せな時も明日がどうなるか分からなくて…。でも、明るい明日を信じてみたいなって思わせてくれるような、引っ張ってくれるような終わり方だったので勇気をもらいました」と語った。
そして、「『天気の子』を観た後、『もうすぐ晴れるよ！』をマネしちゃったんです(笑)。『君の名は。』も『入れ替わってる！』をマネされることが増えたんですけど、この作品を観たら、朝仕事に行く前に(扉を)閉める時、絶対マネしちゃうと思うんです。そんなふうに一緒に日常を過ごしてくれるようなお守りのような作品になる気がします」と最新作の魅力を語った。
映画「すずめの戸締まり」は2022年秋に全国ロードショー。
◆取材・文＝田中隆信
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