今話題のイケメン昆虫ハンター・牧田習。「三度の飯より虫が好き!!」と公言し、テレビ番組にも多数出演。今年1月にはNHKプロデューサーの目に留まり「ダーウィンが来た!」にも出演を果たした。
幼少期から昆虫好きで、ついには昆虫のために地元・兵庫から北海道大学へ進学。その後、東京大学大学院(農学生命科学研究科)に進み、現在は大英博物館やオックスフォード大学など海外の研究者と協同で昆虫研究を行い、新種を発表し続ける。
そんな彼が虫たちの知られざる生態を面白おかしく解説する本連載。節目の第10回は“飲みすぎて残念”な虫・キリガに注目!
“飲みすぎ”が命取りになる昆虫って!?
年末も近くなってきて、何かと飲む機会も増えてくる季節ではないでしょうか⁉ 食べすぎたり、飲みすぎたりすると、お腹が苦しくて歩けないなんてこともありますよね? 実は、これ人間だけじゃないんです! ガの仲間にも、テンションが上がって飲みすぎた結果、飛べなくなってしまうおっちょこちょいな仲間がいます。
「キリガ」というガの仲間は冬の始まりや春先など、少し寒い時期にたくさん出てくるガの仲間なのですが、カブトムシやクワガタムシ同様、大好きな樹液に集まり、ストロー状の口をのばしてゴクゴク飲みます。
ここまではいいのですが、キリガの仲間は体の大きさが数センチと小さいため、時には自分のお腹がパンパンになるまで樹液を飲んでしまうことがあり、その結果、お腹が重すぎて、飛べなくなったり、木から地面にポトッと落ちて、ヘロヘロになってしまうこともあります。樹液にはアルコールも含まれているので、もう完全に忘年会で酔い潰れた人と同じです(笑)。
ガの場合は地面でもたもたしていると、天敵の鳥などに食べられてしまう危険もあるので、飲みすぎ注意です! 人間も忘年会や飲み会で飲食する量はほどほどにしておきましょう。