――最近は、「声優ブーム」と言われています。i☆Risさんは、「声優とアーティスト両方で活動する」という草分け的な存在で約10年やってこられました。苦労はありましたか?
若井:最初の方は大変でしたね。そもそも、私達は「アニソン・ヴォーカルオーディション」をきっかけに集められたので、「純粋に声優アイドルになりたい」と思っていた人がいなかったんです。なので、結果として、ほとんどのメンバーが声の勉強を一からやることになりました。子役上がりの実力派の方がいたりする声優現場に、10代後半の時に未経験で入れられて、結構しごかれました。当時はしんどかったですね。
「プリパラ」(※i☆Ris全員がメインキャストで出演し、主題歌も飾ったアニメ作品)に出会うまでは、i☆Risの全員が「自分は声優です」と言えるほどの実績もなかったので、アニメのフェスに出た時にも「誰だろう」で終わっちゃうんですよ。説得力がないなかで、声優として活動している状況は辛かったですね。
茜屋:かといって、アイドルっぽい楽曲でもなかったので、「アイドルです」というのもちょっと違うかなと思っていました。「声優」でも「アイドル」でもないので、どちらのファンにも刺さらなかった。中途半端に見えていたと思いますね。その後に「プリパラ」があって、やっと知られるようにはなってきましたけど…。
芹澤:とはいえ、デビュー4周年で日本武道館に立っちゃったので、その上の目標が見つからなくてしんどい時期もありましたし、「プリパラ」のイメージから脱却するのも、結構大変でした。いつまでも「キャピキャピと歌いながら、ジャンプし続けるわけにはいかないな」と思っていても、「プリパラの子たちでしょう?」って言われてしまう。「次に行かなきゃ」と感じることはありましたね。
山北:日本武道館を超えたいですね。4周年で武道館の公演をさせてもらいましたけど、その時も「プリパラ」の力だったり、大人たちに立たせてもらったという印象が強かった。武道館の後の6年間でアーティストとしても成長してきたので、今度はそれを証明したいなって思います。
――最近は、大きな会場でライブをやらないアーティストも増えてきています。「武道館を超えたい」とのことですが、そのこだわりの理由を教えてください。
若井:個人的にも、2000年代のavexの先輩方を見てきているので、やっぱり“大きな会場”への憧れはあります。私たちのファンは、「会場で大きな声を出したい」という人が多いんですよ。ファンの熱量と一体化するライブが身体に染み付いちゃっているので、オンラインでは全部出しきれない。目の前にいるファンの熱気を感じながらやるのが、“本当のi☆Risのライブ”だと思うので、お客さんを目の前にして歌いたい気持ちはありますね。
「ファンの熱気と全力でぶつかって戦う」みたいなライブができないと、不完全燃焼で、足りないなと思ってしまうんですよね。
――個人活動も積極的に行っています。皆さんにとって、i☆Risはどのような位置付けですか?両立の難しさはありますか?
山北:ここまでリーダーをやってきましたが、最初はソロ志向が強かったメンバーが、最近は個人の仕事を大切にしつつも、i☆Risを好きでいてくれていることが嬉しいです。私自身は、もともと「グループアイドルをやりたい」と思っていたんです。もし、個人で声優とか女優で活動していてもi☆Risがなかったら、私の人生はつまらない。楽しくアイドル活動ができているからこそ、幸せが感じられていると思いますね。
久保田:i☆Risメンバーは、一般的には考えられないくらいたくさんある仕事を、何事もなかったかのようにこなしてしまうんですよ。だから外で仕事をしてみて、初めてメンバーの凄さを感じました。ツアーが終わった次の日に、MVを撮影したりとか…。他の方に話すと「本当に?」って言われることもあるんですけど…。でもi☆Risのみんなは当たり前にやっているから、「やらなきゃいけない」っていう感覚になりますね。
芹澤:i☆Risと個人、両方の活動をしないといけない時は大変ですね。夜の10時までi☆Risのオンラインサイン会を終えた後、2時間くらい台本チェックをやって、翌朝10時からあるアフレコに備えるとか…。みんながソロでも活動しているから仕方ないんですけど、「どれだけi☆Risに時間を割けるか」を考え、実践していくのが大変です。
――最後に、ファンの皆さんへのメッセージをお願い致します。
山北:私たちi☆Risからのクリスマスプレゼントは、「12月のSnowry」と「 ハートビート急上昇」だよ!
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