安田顕さん主演の「しもべえ」も気になります
有名な脚本家さんの作品を3つ上げましたが、このほかにも気になる、というか絶対に見る作品を一つ。それは大好きな安田顕さんが主演する「しもべえ」(NHK総合)。安田さんは常に無言というナゾのおじさん役ですが、本当にぴったり。「水曜どうでしょう」(北海道テレビ放送)の鈴井(貴之)さんが「大泉(洋)は努力の人、安田(顕)は天才」とおっしゃっていましたが、本当に安田さんはどこか“取り憑かれている人”(笑)。どう演じるんだろう?という役や現実味のない役も見ているとぴったり過ぎるというか、全部ハマり役になっていて…。もちろんシリアスな役や渋い役とかもいいのですが、僕はコミカルな演技をしている安田さんが大好き。それも“イッちゃっている”ような役を飄々と演じている姿を見たら、「さすがヤスケン!」としか思えないです。
昔、TEAM NACSの番組で「ドラバラ鈴井の巣」(北海道テレビ放送)という大泉さんや安田さんがドラマの脚本を書いて演じるみたいなバラエティー番組があったのですが、そのときに見た安田さんが書いたお話がもうめちゃくちゃぶっ飛んでて最高でした。おじさんの前に妖精が現われる話だったり、学園ものかと思ったらよく分からない不思議な世界の物語だったり、本当にどうしたらこんな作品が生まれるんだろう?と思うものばかり。
今回はNHKのドラマで原作があり脚本家の方もいらっしゃったりしますが、そのときの安田さんを彷彿させるようなストーリーでかなり気になります。最初は、もしかしたら安田さんが脚本を書いたのか?と思ったくらいですから。久々のぶっ飛んだ安田さんに会える、最高の年の始まりを感じています。
深夜ドラマはやっぱりテレビ東京
この安田さんのドラマは、「ドラマ10」と言われるNHKの金曜10時枠。ここもなんか攻めたドラマをたくさんやっているんですよね。僕はサウナーなので地方でライブがあるとよくその地元のサウナに行っているのですが、サウナのテレビでかかっていることがかなり高い枠でもあります。最初はそこまで気にしていなかったけど、入りながら見ていると、その面白さについつい見続けてしまうというかなり危険な作品を数多くやっていて(笑)。この間まで放送していた「群青領域」(NHK総合)はバンドの物語で、面白かったです。
こんな風に、何気なく見てハマってしまうというのも多いのがドラマ。特に僕は、23時から深夜に掛けて放送されているドラマはそういう軽い気持ちから入っていつの間にか夢中に…みたいなのが多いです。
そんな深夜ドラマで今勢いがあるのは、なんてたってテレビ東京。「サ道」(2019、2021年、テレビ東京)みたいに当時はまだマイナーだったサウナを取り上げるドラマがあったりと、ドラマというカテゴリーに囚われていないように見えます。今や、年越しを担うまでになった「孤独のグルメ」もその一つですよね。物語が…というより、(井之頭)五郎さん(松重豊)が食べている姿を見たいというか(笑)。その特化したところが本当に他にはない。少し前ですが、伊藤淳史さんやケンコバさん(ケンドーコバヤシ)らがコスプレしてジャンプ愛を語るという「オー・マイ・ジャンプ!~少年ジャンプが地球を救う~」(2018年、テレビ東京)も、想像もしていなかった面白い世界が繰り広げられていました。他の局では絶対に見ることができない、もう“THE テレ東”という感じなんですよ、最高でした。
1月からも、佐々木希さんが主演する「ユーチューバーに娘はやらん!」(テレビ東京系や町田啓太さんの「僕を主人公にした漫画を描いてください!それをさらにドラマ化もしちゃいます!!」(テレビ東京系)など)とかタイトルからして笑える作品がいっぱい。町田さんのなんて、ドキュメンタリーとドラマが合わさった番組らしく、かなり画期的なものになりそう。テレ東の深夜枠ってもしかしたら色んなディレクターさんのチャレンジ枠になっているのかもしれないですね。
あと地方局制作のドラマも深夜は多く放送していて、それもトガッているんですよ。この間まで放送していた「アンラッキーガール!」(日本テレビ系)は、とことんツイていない女性が主人公のコメディーですが、占いが鍵を握っていたり面白かったです。何となくサウナで見て続きが気になって見続けました。
深夜ドラマって、サブカルと結びついていて、マイノリティーである自分を誇らせてくれる力を持っている気がします。「孤独のグルメ」の一人メシや「サ道」のサウナなど、何気なくしていることをかっこいいと感じさせてくれるみたいな。そして、それを見ている“マイノリティーなオレ”も、面白いものを知っている特別な人と感じさせるところもあって…。まぁ、そのドラマを見ている人はたくさんいて、全然マイノリティーではないんですけど(笑)。でも、そういう何かをくすぐるのが魅力だなって思ったりします。