――「怖い絵本」は絵本を題材にした作品ですが、芳根さんご自身は普段絵を描かれますか?
私の母が美大出身で、絵を描いたり何か作ったりすることが好きで、私が幼い頃からいろいろ塗り絵を作ってもらったりとかしていたのですが、残念ながら私にはその血が受け継がれず、致命的に下手なんです…基本的に仕事にNGがないんですが、絵のお仕事はNGかもしれないって思うくらい下手なんですよね(笑)。絵を描くことは好きなんですが、何を描いているのか伝わらないことが多いんです。
――もし絵本を描かれるとしたら、どのような絵本を描かれますか?
ファンタジーがいいですね。やっぱり、絵本ってその世界に一気に飛び込めるものだと思うから、絶対に現実では起きないことを描きたいです。それこそもう魔法が使えるとか、空が飛べるとか、わかりやすいファンタジーの世界になるんじゃないですかね。ハッピーな気持ちになる絵本を作ると思います。
――芳根さんは子供の頃絵本をお好きでしたか? また、好きな絵本を教えてください。
絵本はよく読んでもらっていました。「ぐりとぐら」(福音館書店)はかなり読みましたね。
あと、「おれはねこだぜ」(講談社)が好きです。昔は怖かったんですけど、今読んでみると、改めて「面白い作品だなあ」と思って。大人になってから魅力により気づきました。
サバが大好きな猫が主人公なのですが、サバに追いかけられるという悪夢を見る。それでもサバが好きで「おれはねこだぜ」と言う、簡単に言えばそれだけの絵本なんです。でも、私も割と好きなものを食べ過ぎてお腹壊したりとかしても好きなこともあり、猫ちゃんに共感できるんですよね。小さい頃はサバの絵が怖かったんですけど。
読み返したくなる、中毒性のある絵本だなあと思ってます。おうちに「おれはねこだぜ」は20年近くずっとありますね。