「森田(剛)さんの持つ瞳が美しくてキャラクターと絶妙にマッチしていた」
今回キーパーソンであり、阿川が保護司として担当する工藤誠を演じたのは、映画『ヒメアノ~ル』(2016年)以来、久々の映画出演となる森田剛。
全体を通して物静かでありながら独特な存在感ある演技を見せる森田の印象について尋ねると、「森田さんが演じた工藤さんの声のトーンがすごく好きなんです。心根が優しそうで、絶対に守らねばって思うような佇まいでいつもいらっしゃって。目を見て芝居のやりとりをすることは少なかったのですが、森田さんが持つ瞳の美しさが、工藤さんのキャラクターと声の優しさとに絶妙にマッチしていて。だから切ないんだろうなと思いました」と有村。
一方、磯村も「僕は一緒のシーンがほとんどなかったのですが、目や姿勢からも森田さんが現場に持ってきた“工藤”という人物の深さを感じて。だからとても印象に残る人物になっているんだなと思います」と話す。
「小さな希望でも感じることができると思う」
最後に、本作に関して磯村は「阿川を見ていて、保護司は大変だなと思いました。視点によっては、否定的な意見もあるはず。でもやっぱり人は過ちを犯すこともあるし、阿川という保護司を通して、少しの小さな希望でも感じることができるのかなと思います」と。そして有村は「人は100%は分かり合えない生き物ですが、寄り添うことができると私は思っていて。誰もが被害者であって加害者であるということも、この作品のメッセージとしてはあるのかなと思いますし、人間にしかない温もりをたくさん感じてほしいなと思います」と優しく微笑んだ。