深津絵里、自身演じる“るい”は「年齢よりも大人びた面がある一方、どこか抜け落ちた子どもっぽい面も」<カムカムエヴリバディ>
深津絵里 インタビュー
――「カムカムエヴリバディ」に出演することを決められた理由を教えてください。
「3人のヒロインで100年の物語を作りたい」というチーフ・プロデューサー堀之内さんの強い気持ちと、藤本有紀さんの脚本にすごいものを作ろうとする迫力を感じたので、「私に何かできることがあれば」と思いお引き受けしました。でも、なんでもっと冷静に考えなかったんだろう(笑)。改めて藤本さんが描くキャラクターやストーリーに「とんでもないものを引き受けてしまった」と今さらドキドキする毎日です。でも、岡山編の皆さんが、あの波乱に満ちた大変な物語を、心を込めて演じられている姿を見ていたら、ここで私が「どうしよう」なんて言っている場合じゃない。きちんとひなた(川栄李奈)にバトンを届けなければいけないと、全力で撮影に臨んでいます。
――ご自身の役柄を演じるにあたって意識されたことは?
岡山編にもう「るい」の全てがありました。私は余計なことをせずに、ただ存在していられたらと思っています。るいは、見ている方々が同じ気持ちで寄り添ったり、自分と重ね合わせるのがすごく難しいキャラクターなので、そこは繊細に考えなければいけないですよね。それに、喜怒哀楽を上手に表せないので、彼女の感情の揺れを、どれくらい表現するべきなのかも気をつけています。るいの生い立ちや育ってきた環境を考えると、年齢よりも大人びた面がある一方、どこか抜け落ちた子どもっぽい面もあるのかなと思いました。そんなるいの、でこぼこした感じがうまく出せたらいいなと。
――印象に残っているシーンは?
竹村クリーニング店の平助さんと和子さんご夫婦と会って初めてお茶の間でおせんべいをいただくシーン。すごく緊張しました。というのも、それがるい編の初日に撮ったシーンだったんです。岡山にいた十何年間で、きっとるいの心はとっても固く閉ざされていて。本当の気持ちをなかなか表さなかった女の子が、全く見ず知らずのお宅にあがって、あたたかさに触れ、心を開放する。私の感情がうまくコントロールできなくて、何テイクもやらせていただいたんです。それを、村田さんとマリさんのお二人が見守ってくださいました。
言葉ではなく、私たちはここにいるから大丈夫だよっていう空気を作ってくださって。お二人にご迷惑をかけたと思うんですけれど、そのつまづきみたいなものがあったからこそ、一気にお二人との関係を作れたような、みんなで手を取り合えた気がしてとっても大事なシーンだったなと思います。
――放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。
安子編からずっとこの作品を見守ってくださっている視聴者の方々に、ひなたの最後までを見守っていただけることが私の願いです。今放送中のるいの時代のエピソードが、ひなたの時代に紡がれていきます。次はひなたの気持ちに寄り添って、毎朝この物語を楽しんで見ていただけたらうれしいです。
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