映画「鹿の王 ユナと約束の旅」(2月4日[金]公開)の完成披露試写会が1月17日に東京都内で行われ、舞台あいさつに堤真一、竹内涼真、杏、安藤雅司監督が登壇した。
同作品は、2015年度本屋大賞、日本医療小説大賞をW受賞し、シリーズ累計250万部を突破している上橋菜穂子のベストセラー巨編「鹿の王」を、映画「もののけ姫」(1997年)、映画「千と千尋の神隠し」(2001年)、映画「君の名は。」(2016年)などを手掛けた異才のアニメーター・安藤が監督デビュー作として映像化した長編アニメ。
壮大な世界観の中に謎の病を巡る緻密な医療サスペンスと感動の物語が組み込まれた唯一無二の冒険大作で、堤は物語の主人公の孤独な戦士・ヴァン、竹内はもう一人の主人公の謎の病の治療法を探す天才医師・ホッサル、杏は抗体を持つ者を追う暗殺者・サエの声をそれぞれ演じる。
舞台あいさつでは、堤ら3人が作品への思いやアテレコでのエピソードを披露。
今作が声優初挑戦だったという堤は「原作のファンだったんですけど、この作品は壮大過ぎて映像化は難しいだろうと思っていたので、(出演の)お話をいただいた時はうれしかったのですが、アテレコの経験がなかったので、あまりにご迷惑を掛けるようだったらお断りした方がいいかなと思って『何回もNGを出してもいい環境でやらせてください』とお願いしました」と裏話を披露。
さらに、アテレコについて「もう二度とやりたくないというくらい難しかったです」と振り返ると、安藤監督は「(苦戦していたなんて)とんでもないです！ どのテイクを撮っても良いって思うくらいだったんですけど、謙虚に真摯に取り組んでくださいました」とコメント。
また、同じくアニメの声優が初めてだったという竹内は「アニメーションの声をやるというのが自分と無縁だと思っていて、あんまり意識していなかったので最初に聞いた時はびっくりしましたし、『自分でいいのかな』っていうのありました。『(ホッサルという)あんなに素敵でカッコいいビジュアルから聞こえてくる声ってどんなものだろう？』とか『何を求めて生きているんだろう？』とか自分なりに役作りをして挑みました」と告白。
そして、「(アテレコは杏と)一緒にできなかったので、声優さんが相手役をしてくださったのですが、その方が完璧で！ (自分がその域に達していないことが)悔しくて、何テイクもやらせてもらいました。苦しかったのですが、結果的にホッサルと共鳴できたので、すごく楽しかったです」と語った。
ほか、原作の大ファンという杏は「上橋先生が本屋大賞を受賞された時に対談をさせていただいていたので、まさかその数年後に作品の世界に入って役をいただけるというのは、本当にびっくりしました」と打ち明け、「上橋先生とはその後も交流させていただいていたので、(オファーが来た時は)『まず、先生に聞かないと！』と思って『私がサエで大丈夫ですか？』とお電話させていただきました」と明かした。
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