真彩希帆が共演の浦井健治にインタビュー!「お会いした瞬間、習字みたいなフォントで『優』って漢字が浮かんだんです」【連載:真彩希帆の知りたい!芸の道#6】

2022/02/02 07:00 配信

芸能一般 連載 独占

浦井が影響を受けた先輩からの言葉とは…

浦井健治と真彩希帆 撮影=阿部岳人

真彩:健ちゃんを見ていると、お稽古場でも舞台上でも一日一日を丁寧に大切に過ごしていらっしゃるのだろうなと感じます。

浦井:ありがとうございます。でも、これはなっちゃんもきっと同じだよね。一日一日、出会った人を大切にしようっていうのをすごく感じるから、そんななっちゃんからそう見えているのはうれしい。あと山口祐一郎さんとか、石川禅さんとかもすごく気遣いの方で。

真彩:はい! 本当にすてきです。「笑う男―」の稽古場に入った時、言い方が難しいですが、自己中心的な人が誰一人としていないと感じました。

皆それぞれ真っ直ぐ立っているけれど、オープンで心が広い方が多いと思ったんですよ。やっぱり座長のお人柄でしょうか(笑)?

浦井:ありがとうございます(笑)。

真彩:そんな健ちゃんは役を演じる上で、役者として大切にしていることはありますか?

浦井:佐藤B作さんと共演した時、B作さんが「命より大事な芝居なんてないんだよ」って言ってくださったんです。その時、ハッとして…。

苦しんでエンタメを見せても、本当に命削り過ぎているものを見せられたらお客様は心配になっちゃう。だからその余力は、余白としてお客様に想像してもらう。それが演劇の醍醐味だから、全部説明しちゃだめなんだと言われて意識が変わりました。

自分よりも人生を長く生きてきた先輩達と会話して、学んでいくことがいかに大切なことかも知りましたね。

真彩:命より大切な舞台はないって、すごくわかります。

私もものすごく命削ってお芝居に向き合っていた時があったのですが、そうじゃないと不安な自分と、そうじゃなくてもいいんじゃないの?って思う自分がいて葛藤したりしていましたね…。

浦井:あとは、普通の人であること!これは中嶋朋子さんから教わった言葉なんですけど、お客様に共感してもらうためにも普通の日常を普通に過ごしていないといけないって。

いわゆる生活や人との接し方も含め、役者だからではなく一人の人間としてやっていくことを大切にしています。そう思ってから肩の力が抜けましたね。

真彩:「普通に生きる」っていう意識を持つことって、すごく難しいことだと思うんですけど、その為に必要なことって何だと思いますか?

浦井:やっぱり周りの人を大切にすることじゃないかな。そして、その輪が広がって行くことを信じる!

自分が人の為に何かできるのって、自分が周りからの愛情を受けてきたって理解していることが大事だと思うんですよ。愛情をかけていただいたら、その分人にも同じことをしようって思えるんだと思います。

真彩:今お話を聞いて、やっぱり健ちゃんは「優しい」とか「愛」とか、そういうイメージだなって思いました(笑)。

私、人に対して自分というものを常にオープンにしていたいなと思っていまして…。初対面からどんな方でも素の自分で接しています。自分から壁を作りたくないなと。

それでも人にも合う、合わないがあるので、仲良くなる人も自分を嫌いな人もいる。でもそれで良いじゃないか〜!と(笑)。優しい方達に出会って、感謝し深く付き合っていくこと。それが一番だなと考えています!

浦井:すごいね!人生何周目(笑)?そういう風に生きられたらすごくいいよね。

それでちょっと辛い思いをすることもあるかもしれないけど、そういう時こそ周りに助けてもらうと相手を信じることの大切さを知れると思う!