担当番組において「自分の評価を上げたい」という気持ちは1ミリもない
「好きなこと」と「得意なこと」は大きく違うし、「やりたいこと」と「やるべきこと」も大きく違います。
「夢は諦めずに突き進んだほうがいい」「いつか叶う」みたいなことは大きく間違っちゃいないのでしょうけど、僕からするとやや暴論でもあるなと思ったりして。「そこに縁があれば、そういう感じになっていくんじゃない?」としか言いようがありません。そこまで自分を信じてあげられるか、野心の火を消さずにいられるかは環境次第でもありますし。
好きなことは好きなことで確保しつつ(僕でいうと自分の主催公演「劇、佐藤満春」や自分のラジオ番組など)、仕事は仕事として「得意なこと」を「求められる状況」に応じて対応してく姿勢なので、現担当番組において「自分の評価を上げたい」という気持ちは本当に1ミリもありません。出演者が面白いと思われたり、番組自体が評価されればいいだけの話で。
僕の「自己表現」みたいなものは割と分断されたところにこっそりあるものなので、そこにもし興味を持ってくれた方がいるとしたら、どうぞごゆっくり…という感じです。
「やれることを一生懸命やらせてもらってる」
こういうことを書いたり答えたりするとすごくいいように勘違いされることもあって、実状はそんなかっこいいことではなく、「やれることを一生懸命やらせてもらってる」だけなので、結構冷静なもんだなと思ったり。
昨今言われることが多い「好きを仕事にしよう」なんていうキャッチは、見えない挫折や苦労には蓋をしているように聞こえるしどちらかというと好きな言葉ではないんですけど、好きだったらそこも乗り越えられるかもしれないし、熱を持てるのかもしれない。「没頭して夢中になった先に何かがある」という事実は仕事にすることと近しいけど、まったく違う話なのは今も尚、わくわくする話でもあります。
最終的にまったく売れないまま死んでいく芸人が「幸せだった」と思って死ねるならそれはそれでいいのかもしれないし、そこについてはまた。
芸人がいろんな顔を持って仕事をすることを許容していただく時代になりました。時代が変わったのもあるし、芸人として生きていく難しさもそこにあるのかもしれないし、理由は様々ですが、少し僕自身は呼吸しやすい世界になった気もしてます。
「芸人なんだから〇〇するなんておかしい」などと言われる窮屈な時代は終わりを迎えつつあるようで何よりです。これは芸人の世界だけではないのかもしれないですね。
僕は大好きな人と大好きな仕事をしています。休みの日には家族と旅行に行くこともあります。平日は毎朝4時に起きてほぼ毎日終電くらいまで仕事をしています。夜、眠れません。両膝が悪いです。息抜きがしたくて趣味でフットサルをはじめました。
スターにはなれませんでしたが、そこそこやっていってます。どーんと、やっていくしかないようです。
それではまたどこかで。
佐藤満春