「ミステリと言う勿れ」に小日向文世がゲスト出演、菅田将暉“整”に謎を解かせる元刑事役【コメントあり】
小日向文世(牛田悟郎役)コメント
――作品に参加することが決まった際の気持ちは?
第5話のゲストでオファーをいただきました。月9にゲスト出演することは今までなかったのでとても新鮮でしたし、何より映画で少し絡んだことはあるんですけど菅田(将暉)くんとじっくり2人で演じるシーンがあったので、ぜひ演じてみたいとまず思いました。
――演じられる牛田はどのようなキャラクターですか?
すでに退職した元刑事で、体を壊して入院している時に整(菅田)と会うのですが、“実は?”という面を持つキャラクターです。この“実は?”をお話ししてしまうと、ネタバレになってしまうので(笑)。この“実は?”の設定が非常に面白いんです。牛田は病院で普通に会話をして、自分が現役当時の話から整にクイズを出すんです。そのクイズを頭脳明晰な整が淡々と当てていきます。その姿を牛田は面白い男だなと見ている。その2人の会話に関しては演じていて面白かったんですけど、最後の最後に…これも言えないか?(笑)
――牛田を演じていて感じたことは何ですか?
牛田は自分が読んでいたマルクス・アウレーリスの「自省録」を整に渡すんです。その本の一節を牛田が唱えたのを、整が「そうしたんですね…」と振り返るシーンがあるんですけど、僕には意味が分からなかったんです(笑)。僕なりに考えて監督に聞いてみたりもしたんですけど…。そうしたら、たまたまそのシーンの撮影日に原作の田村由美先生がいらっしゃったのでうかがうことができて、大体僕の考えと同じでした。視聴者の皆さんも最初の僕のようにわからないかもしれません。それでも“どういうことなのかな?”と考えさせられて、その一節が心に残ることがこの作品の面白さではないかな?と感じました。録画なさっていたら、何度も見直して考えてくださっても良いですよね。とにかく牛田の件は不思議な終わり方で、深いストーリーだと思いました。
――全体のストーリーがうまくつながっていきますが?
そうなんですよ。田村先生はものすごく全体を通しての流れを計算して書いていらっしゃるんだと思いました。なおかつ、漫画も描いていらっしゃるんですから。ですので、先生がいらしたときは自分の台本にサインをしていただいたんです。そうしたら、牛田の絵も添えてくだいました。先生のイメージ通りの牛田が演じられたかな?と思いながらも…とにかく先生は、そのときに菅田くんの整が、もうまさに自分が描かれた絵がそのまま現実としているようだとすごく喜んでいらっしゃいました。牛田はどう思われたかわかりませんけど(笑)。本当に菅田くんは僕も整にピッタリだと思います。
――小日向さんの牛田も、とても良いキャスティングのように思います。
原作に描かれている牛田って、結構なおじいちゃんなんですよ。でも、話し方はべらんめぇ調で、目つきも鋭く、現役刑事の時は結構きつい取り調べをしていたような、まさに叩き上げのイメージですよね。いや、昔の事件を振り返るシーンでは僕もかなり走らされましたよ(笑)。僕も入院しているときとのギャップがあった方が良いと思って、何回も走ったら足に違和感覚えたので、監督に「あと一回しか走れません!」とお願いしたぐらいです(笑)。
――菅田さんと演じられていかがでしたか?
菅田くんは間違いなく、これからの日本の映像作品を引っ張っていく役者の1人だと思いました。監督が「ちょっとこうしたいんだけど」と言ったときに、菅田くんが「そうじゃないと思う」とかたくなに自分の意見を通したことがあったんです。監督も自分の演出を変えたくなかったようなんですが、最終的に菅田くんの意見になったんです。すごいですよね?僕なんか監督に指示されたら「はい!分かりました!」と言われた通りにしますよ(笑)。そして、見事に色を変えるのを自分の中で面白がっているところもあるんですけど…。菅田くんはちゃんと考えていました。頭脳明晰な方で、整役ははまってますよね。僕は菅田くんと同じ年ぐらいのときに何をしていたんだろう?と、思っちゃいます(笑)。
――最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
牛田の投げかけるミステリーの謎を解いていく姿を演じる菅田くんの見事な芝居を楽しんでください。僕が初めて菅田くんと2人きりで演じるシーンは、静まり返った病室で長めに続きますので、皆さんにはじっくりとご覧いただきたいと思っています。あ、そうだ!牛田の回想で走るシーンは奮闘しましたのでお楽しみに!(笑)