映画「ちょっと思い出しただけ」の公開記念舞台あいさつが2月12日に都内で行われ、W主演の池松壮亮と伊藤沙莉、共演者の永瀬正敏、監督を務めた松居大悟が登壇。本作に出演している屋敷裕政(ニューヨーク)がMCを務めた。
本作は、けがでダンサーの道を諦めた照生(池松)と葉(伊藤)の二人を中心に、関わる登場人物たちとの会話を通じて、都会の夜に無数に輝く人生たちの機微を繊細かつユーモラスに映し出していく、オジリナルラブストーリーとなっている。
バレンタインデーが近いということで、バレンタインにまつわる思い出を聞かれ、池松は「聞こえはよくないのが一つあるんですけど」と前置きをして、「小学校1、2年ぐらいのことです。その前に、保育園とかでも義理チョコをもらったりしてたんですけど、その時は意味もわからず受け取っていました。小学生になると、家に持って帰って親に見つかるのが恥ずかしく思うようになって、フライングで12日とか13日にチョコレートをくれた人がいたんですけど、空き地に投げてしまいました。その後、そこにきれいな家が建ったんです。茶色い家が(笑)」とインパクトの強いエピソードを披露。
伊藤は「家が建ったみたいな話はないんですけど(笑)」と言って、小学生の頃のことを話した。「小学生の時、一生懸命チョコを溶かして作ったんですけど、いつ渡していいのか分からないし、素直な性格じゃなくて、好きなのをバレたくないみたいな気持ちがあったので、『とりあえず全員分作ろう!』って思ったんです。全員分作って、一人だけ中身を変えて(笑)。みんなに『これ、みんなに渡してるから』って言いながら渡してたら、本当に渡したい子だけ先に帰っちゃって。それで家まで言って『これ、みんなに渡してるから』って言って渡せたんですけど、次の日、『なんかさぁ、俺のだけ中身違った?』って。男の子ってそういう話をするんだ!?って。『あいつのはああで、俺のだけこうだった』みたいなことを言うんで、『お前のだけ残り物で作った』って言ったんです。その後、何もなく、好きとも言えずに終わり。かなわない恋でした」と切ない思い出を明かした。
松居監督は「中高と男子校なんです。進学校で(周りの学校の生徒から)カツアゲされるような学校で(笑)。1時間ぐらいかけてバスで通っていて、毎回同じ時間なので、乗ってる人も同じじゃないですか。誰か自分に渡したいんじゃないかって勝手に思っていて、バレンタインの日はちょっと早めにバス停に行って、すごく渡しやすい感じにしてました(笑)」と、こちらもちょっと切ないエピソードを語った。
それを聞いて、永瀬は「思い出そうとしてたんですけど、なかなか思い出せなくて…。チョコをもらったやつから、それをカツアゲして、捨てたら茶色い家が建ったぐらいですかね。ウソです(笑)」と他の登壇者の話のおいしいところをダイジェストでまとめ、会場を和ませた。
映画「ちょっと思い出しただけ」は全国公開中。