そのシブい美声で数々の名作アニメを彩ってきた人気声優・津田健次郎。監督や俳優としても積極的に活動し、NHKの連続テレビ小説「エール」(2020年)では語りを担当、2021年にはドラマ「最愛」(TBS系)にレギュラーキャストとして出演…と、数々の人気作に携わっている。そんな津田が、3月28日(月)配信のNetflixアニメ「テルマエ・ロマエ ノヴァエ」で主人公のルシウスを演じる。津田がNetflix作品で主演を務めるのは、「スーパー・クルックス」「極主夫道」(いずれも2021年)に続いて3作目。いわば“Netflixに愛された男”とも言える津田が感じる、Netflix作品ならではの反響とは？ 「テルマエ・ロマエ ノヴァエ」収録の裏側と共に、話を聞いた。
ルシウスのように“生真面目で真っすぐ”な役は新鮮だった
――実写映画化もされている「テルマエ・ロマエ」をアニメ化し、主人公のルシウスを演じると決まったときの印象はいかがでしたか？
津田：ルシウスのような役はあまりやってこなかったので、まさか僕のところに来るとは思っていませんでした(笑)。ビックリしましたけど、「このようなビッグネームな作品で、こういう役をやらせていただけるんだ」と、めちゃくちゃうれしかったです。
――“ルシウスのような役”というと…？
津田：すごく生真面目で真っすぐな男というのが…かなり珍しくて(笑)。どちらかというと“ひねくれている”とか“二面性がある”とか、そういう役の方が圧倒的に多いので、ルシウスのように思ったまんま行動に出ちゃうような役は個人的には新鮮ですね。珍しいと思います。
――とはいえ、津田さんご自身のお仕事に対する姿勢には、ルシウスと似たものを感じます。
津田：すごくリスペクトできる人ですよね。自分の仕事に情熱を注いで邁進している姿はかっこいいですし、「こうあるべきだよな」とも思います。ルシウスもクリエイターですから、改めて彼の仕事に対する姿勢はすてきだなと思いました。
古代ラテン語に苦戦「実は正解がよく分からない(笑)」
――本作で「ここに注目してほしい」という点はどこですか？
津田：エネルギッシュなシーン、特にルシウスがいろいろなことに驚くシーンです。それがコメディ要素にもつながっていくので、なるべく笑えるシーンになるといいなという思いで収録しました。客観的に見るとバカバカしいんですけど、ルシウス本人は至って一生懸命で必死。そういうところがルシウスのキュートな魅力になるといいな、と。なるべく丁寧に、でも勢いを殺さず、ということを意識しました。
――作中では古代ラテン語も披露されています。
津田：いや～、大変でしたね(笑)。言語の先生が吹き込んでくださった音声をいただいて、その音声を丁寧に聞いてトレースしていきました。ただ、音声だけだとどの言葉がどの日本語に当てはまるのかがあまり分からなくて。「どこに力点を置けばいいのか」「どこで切るとニュアンスが出るのか」というところも、音声だけだと拾いきれない部分がありました。なので結果的にわがままを言わせてもらい、「ちょっと分かんない！」と(笑)。スタッフさんが尽力してくださって、現場に言語の先生も同席していただいてすごく安心しました。
とはいえ、現代のラテン語ともまた違う古い言葉なので、実は正解がよく分からないんです(笑)。誰も正解が分からない。そこが僕の中の最大の強みなんです。正解はない！何なら、僕が話す古代ラテン語が正解になっていくだろう、という(笑)。それが安心材料でもありました。
3月28日(月)全世界独占配信スタート
原作＝ヤマザキマリ／監督＝畳谷哲也／脚本＝百瀬祐一郎
出演＝津田健次郎、小林親弘、小林沙苗、日野聡、磯部勉、瀬戸麻沙美、池田秀一、櫻井孝宏、細谷佳正、榎木淳弥
