ついに俳句名人に!日常の出来事がアイデアの源
――生放送の経験が多かったかと思いますが、収録の番組などで難しさを感じることはありますか?
情報番組だと、限られた時間内により多くの情報を入れるため、自分の意見は一言、二言、いかに簡潔にお話しできるか、みたいなクセがついていて。収録で自分のエピソードや意見をたくさんお話しするのが苦手です…。インタビューでお話をうかがう機会はたくさんあって、それは大好きなんですけど、逆にこの取材のように、自分のことを聞かれて話すっていうのが未だに慣れないんです。なのでバラエティーだと、元々の性格もあり“なるべく目立たないといいな”という意識で臨んでいたんですけど(笑)、MCのような立ち位置でやらせていただくようになってからは、「もう、逃げも隠れもできない」なと。そのあたりから覚悟を決めた感じはありますね。
――そんな中でも「プレバト!!」(TBS系)は少し毛色が違うバラエティー番組ですよね。俳句査定のコーナーで、先日、名人に昇格されました(2月3日放送)。名人は番組では14人目、女性では3人目ですし、素晴らしい成績です。
ありがとうございます。無事に名人になれました。ずっと「なりたい」と言いつつ、さすがに名人は難しいだろうなぁと思っていたので、日々悩んだ甲斐があったかなって思います。夏井(いつき)先生に直接添削していただけることは本当に貴重なので、ありがたいです。「プレバト!!」は、収録のときよりも提出までの期間が大変で。お題が来てから1週間くらい考える期間があって、そこは本気で家に缶詰めになって、結構ず~っと考えていますね。自分で考えたものを出して、評価をしていただく、ということが初めてだったので、最初は自信もなくて恥ずかしかったんですけど、いろいろ勉強する中でどんどん楽しくなっていきましたね。
――皆藤さんの句は、日常のちょっとしたところに目線があって素敵だなと思って拝見しています。個人的に「シャンプーの 泡伝う 霜焼の耳」がとても素敵です。
ありがとうございます! その句をあげていただけたのは初めてなのでうれしいです。褒めていただけるのは他の句が多いので。その句は昇級もしたので、「しもやけがよくできる体質でよかったな」と思いました(笑)。そういう自分の嫌な部分なども、句にして、評価していただけると救われます。この前作った「悴(かじか)める 手のひらを刺す 乗車券」は、毎週「ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜」(CBCテレビ)で名古屋に行くときに、ホームでポケットに入れている手にいつも乗車券が刺さるのを思い出して詠みました。それで名人になれたので、「あぁ、刺さっててよかったな」って(笑)。でも私、今まで電車とか駅の句がとても多いんです(笑)。やっぱり日々いろいろ体験したり感じていないとネタが尽きてしまうし、なかなか語彙力もなくて…今、それが課題です。
――ちなみに、俳句はどのように作っていますか? 日頃から気になる事柄をメモしているなど、そういったことはありますか?
特に書き溜めることはしていなくて、瞬発力勝負というか。お題が来た瞬間に、ワーッていろいろ思いついたことや体験したことを書き出して、どれが句にできるかなって。もちろん、そのときに出てくるのは日頃考えていることなんですけれど。なので、お題が書かれたメールを開くときが一番緊張しますね。その後は、書き出したことの中からネタを決めた後、リビングの椅子に座るか、ソファに寝転がってタブレットを見ながら季語を探します。いざ作るときは音楽も流さないし、テレビも消します。外も、意外とザワザワしたカフェとか電車の中とかもいい感じに集中できます。
――大変な作業ですね。
でもすごく楽しいです。自分が体験したり感じたりしたことを試行錯誤しながら十七音にしたものなので、愛着もありますし、収録では他の方の俳句もたくさん見られるので勉強になりますし。何より夏井先生に褒めていただくのが一番うれしいです。
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文藝春秋
発売日: 2022/01/19