星野源が学ぶ姿を見ながら、星野源についても学ぶ
「おんがくこうろん」の企画を立ち上げるにあたり、星野源は「好きな音楽家のことをもっと知りたい、勉強したい」という思いもあったという。番組冒頭に出るテロップも「学ぶ人 星野源」である。
星野源が学ぶ姿は、とても楽しそうだ。J・ディラがサンプリングした元ネタを「かいせついん」たちとじっくり聞き比べたり、ガーシュインの「曲の構造が譜面になって目の前に現れた」という天才エピソードに「(自分も)言ってみてぇ~」とうらやんでみたり。新しいことを知る喜びが画面から伝わってくる。
また、話の流れから自身のルーツや楽曲製作について触れるのも興味深い。「名作の裏には大胆な起用があると思う」「(歌詞を書くとき)生きるとか希望とかの“生“を書くときは、“死”も考えながら書くようにしている」といった言葉を聞くと、だからあの曲はそうなのか、と腑に落ちることもある。
これらのエピソードは、自己主張の押しつけがましさはなく、あくまで取り上げる音楽家のエピソードに沿ったもの。歴史を変えた音楽家について学びながら、自然と「星野源について学ぶ」機会にもなっているのも、この番組の特徴のひとつだろう。