【漫画】超不運な男子高校生と超幸運な女子高生が流星に願うこととは。WEAVER・河邉徹の青春小説がコミカライズ

2022/03/26 10:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

「学生の頃に自分は不幸だと嘆いていた」。河邉さんが自身を投影した主人公への思い

WEAVER・河邉徹さん  (C)河邉徹

ーー「流星コーリング~双つ星の願い事~」は、2019年に発表された小説「流星コーリング」のアナザーストーリーをコミカライズした作品ですが、もともと漫画への展開は構想にあったのでしょうか。
小説を書いた当初は、漫画にするというとことまで考えてなかったです。映像化、漫画化などのことを最初から考えて作るより、まず小説として面白くなるものを作ろうと思って作りました。でき上がってから、漫画にしても面白そうだね、という意見を聞くようになり、そういうところにも意識が向くようになりました。

ーー原作である小説と漫画版のタイトルが異なりますが、変更された経緯や思いがあればお教えください。
小説と漫画は同じ場所、同じ時間軸の物語ですが、主人公の違うAnother storyとなっています。ただ小説が漫画になっただけではないという意味でも、タイトルに「〜双つ星の願い事〜」とつけて違う印象を持ってもらえるようにしました。

ーー本作の物語を創作するにあたって、こだわった点や気を付けたポイントがあればお教えください。
今回は小説ではなく漫画を作るのだ、という点に意識を置いて作りました。連載だったので、読者の方が楽しんで読める早い展開が必要だと思いましたし、漫画では絵があることによって、視覚的な情報に頼って物語を進めることができます。そういうことを自分の中で落とし込みながら作りました。

ーー漫画は天月みごさんがご担当されましたが、河邉さんからリクエストしたことなどがあればお教えください。
リクエストしたことは特にありません。漫画を作るのが初めての僕の足りてないところを、天月みご先生には大きく補っていただきました。僕が想像していたものより、ずっと良いものになったと思います。

ーー本作は「不幸」「幸運」といったある種の個性を持ったキャラクターが軸になって物語が展開していきますが、特に思い入れのあるキャラクターはいらっしゃいますか?
主人公の麦くんです。彼と同じように、僕も学生の頃に自分は不幸だと嘆いていた時期があったので、思い入れがあります。何をやってもうまくいかない……。そう悩む彼の姿は、自分と重なるところがありました。

ーー本作は広島が舞台になっていますが、理由はございますか?
この物語に出てくる人工流星は、株式会社ALEの計画で広島・瀬戸内地方に実際に降る予定があり、そこからインスピレーションを受けて書いた物語でした。なので広島が舞台になっております。現在は2023年の予定となっていますので、楽しみですね。

ーー本作の中で、河邉さんが特に気に入っている場面があればお教えください。
第一話の最後、麦くんがモナに残酷な占いの結果を聞かされるシーンです。この物語が最初に大きな展開を迎えるシーンですし、小説でそこまで出番が多くなかったモナが大活躍しているのが嬉しいです。

ーーミュージシャンと小説家という2つの顔をお持ちですが、それぞれの活動は相互に影響を与えていますか?
物語を書く時にも音楽からヒントを得ることは多いです。ですが音楽と小説に限らず、全ての活動が相互に影響を与えているなと感じています。僕は写真を撮るのが好きですし、最近ではインテリアや家具などを通して、豊かな暮らしって何だろうって考えたりしています。そうしたもの、全てが相互で影響を与え合っているように感じます。同じ人から出てくるものなので、そういうものだと思います。

ーー原作小説、もしくはコミカライズ制作にあたりまして、裏話や制作秘話などがありましたらお教えください。
この漫画はWebでの連載をしながら、「流星コーリング」を応援してくださっている方々に向けての配信を行い、途中段階のプロットやネームを公開してきました。進行形で作っているものを見てもらって感想を聞くというのは、やはり自然と精神状態に影響を与えるものです。なので、より応援してくださっている方々と一緒に作ってきたという感覚のある作品となりました。

ーー最後に、作品を読んでくださった読者の方にメッセージがあれば、お願いいたします。
「流星コーリング」と出会ってくださってありがとうございます。「流星コーリング」は小説、音楽アルバム、漫画と、色んな角度から楽しめる作品になってきました。こんな楽しい作品他にないと思っています。
どうかこれからも、「流星コーリング」の新たな展開と、生まれてくる全く新しい作品を楽しみにしていてくださいね。

関連人物