藤原紀香主演ドラマ「ギネ 産婦人科の女たち」で初のドラマ主題歌「My measure」をリリースしたアーティスト・lecca。ダンスホール・レゲエを得意とする日本では希少な女性レゲエシンガーで、前シングル「For You」('09年)は上半期USENリクエストランキング1位、配信総累計80万ダウンロードを突破するヒットを記録した。そんな彼女の楽曲が持つ世界観にドラマ制作陣が共感し、主題歌をオファーしたのだという。ドラマ主題歌でさらなる躍進が期待される彼女に、新曲に込めた思いを語ってもらった。
leccaは初のドラマ主題歌の制作に当たって、「ドラマの制作者や出演者の皆さんのメッセージをちゃんと読み取って曲にしないといけないので、責任を感じました」と語る。「見ている方はきっといろんな職業の方がいるだろうと思ったので、ドラマの舞台である産婦人科だけに当てはめるのではなく、プロがせめぎあっている現場全ての頑張っている方に共感してもらえる曲にしたいと思いました」と振り返る。
メッセージを紡ぎ出す際にはドラマで共感した部分を探したという。「信念を持っている人間たちが意見の違いでぶつかり合っているところにとても引かれたんです。自分の仕事に当てはめてみても、スタッフさんがいいと思うこととわたしの意見が衝突することはよくあって…。でも誰が言ってることがベストなのかということは分からない。満足がいかなくて悩んだり迷ったりしても、結局、“自分のものさし=My measure”を信じていくしかないというメッセージにたどり着きました」と思いを語る。
そうして完成した楽曲は、レゲエのエッセンスを感じさせるパワフルなボーカルがしっかり生かされた爽快(そうかい)なメロディーに、leccaの個性の1つであるストレートな歌詞が乗った1曲となった。ドラマのオープニングに流れた時には「友達と一緒に見て、『わー! leccaの曲が流れてる!』とドンチャン騒ぎ(笑)。うれしかったですね」と喜びを。しかし同時に、「ドラマの内容が想像以上にシリアスでビックリ!『わたしの曲、ちょっと軽かったんじゃないか!?』と落ち込んで(笑)。でも、後付けかもしれませんが、シリアスなドラマだからこそ、希望や前向きさを曲からくみ取ってもらいたい。見ている方がどう感じているのか気になっているので、どしどし感想を送ってください」と笑う。
その力強い楽曲と同じく、サバサバとした語り振りが印象的なleccaは大学時代からアーティストを目指し、都内のクラブで歌手をしていた。実はドラマ「ギネ」の第1話でゲスト出演した波岡一喜とは大学が同じだったそうで、「当時から彼は役者を目指していて、冗談で『いつか波ちゃんの主演するドラマでわたしが主題歌を歌えたらいいね』と言っていたんです。それが近い形で実現して、『やったね!』って喜び合いました!」と美しい友情を感じさせるエピソードも。
'04年にレゲエシンガーPANGのミニ・アルバム『ゆらり』『あはっ!』にMC/コンポーザーとして参加したことをきっかけに、'06年4月にミニ・アルバム『Dreamer』でついにメジャー・デビュー。以来、海外アーティストのVoicemailとのコラボなどで音楽性を広げてきた。leccaはアーティストとしての自身の存在について、「音楽でみんなの心の闇を吹き飛ばしたい。加えて、歌とはこういうもの、レゲエとはこういうものなど、皆が持っている既成概念をどんどん壊していきたい。音楽で世界を変えるぞ! というくらいの気持ちでやっていきます」と力強く語る。
さらにアーティストとしての目標について「ダンスホール・レゲエを得意とするジャマイカの歌手、ショーン・ポールのような、力強くてキャッチーで元気が出るような音楽をやりたい。それと、わたしは日本語が持っている可能性をすごく信じていて、日本語の響きや意味の強さをちゃんと曲に当てはめて歌えば、日本語の歌が海外でも聴かれるくらいになる可能性があると思っています。いつかショーン・ポールと日本語で共演するのが夢、というか、野望です!」と大きな目標に目を輝かせた。
一方で、普段のleccaは1人でいることが多く、「本を読んだり映画を見たり。あとは音楽を作るかのどれかをしています。すごく普通」なのだとか。しかしお気に入りの映画について聞くと、「比較的イタリア映画が好き。『ライフ・イズ・ビューティフル』('98年)や『人生は、奇跡の詩』('05年)がすっごく面白い! どちらも監督はロベルト・ベニーニというイタリアの方で、『ライフ・イズ・ビューティフル』で米アカデミー賞で初めて主演男優賞を受賞した外国人でもあるんです。プレゼンターだったソフィア・ローレンが同国人の受賞に感極まって涙ながらに祝福したというエピソードには、いつも胸が熱くなりますね」と情熱的な一面を見せた。
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