鈴木伸之と犬飼貴丈が出演するドラマ「ケイ×ヤク-あぶない相棒-」(毎週木曜夜11:59-0:54、日本テレビ系)の最終話が3月17日に放送された。20年前に起きた東京テトラビル爆破事件を追ってきた一狼(鈴木)と獅郎(犬飼)。最終話では、2人がたどり着いた、壮絶だが救いあるラストが描かれた。(以下、ネタバレがあります)
「半分もらうな」
原作は、WEB連載で1000万PVを突破した、薫原好江による同名漫画「ケイ×ヤク―あぶない相棒―」(講談社「Palcy」で現在も連載中)。
堅物な公安捜査官・国下一狼(鈴木)と、指定暴力団「峰上組」若頭・英獅郎(犬飼)がバディを結成し、闇に葬られた事件を追ううちに巨大な陰謀へ巻き込まれていく“あぶないサスペンス”。最終話では、一狼と獅郎がビル爆破事件の真相を知る大須匡(吉村界人)と東幸子(中田クルミ)を救出に向かう展開が描かれた。
匡と幸子を監禁していたのは、かつて峰上組にいた山田(平田満)と諜報員“J”こと林(三浦誠己)。山田と林は、匡がビル爆破事件を起こした張本人であることをネタに、匡の父・大須総理大臣(板尾創路)をゆすっていたのだった。匡たちを奪還するため、一郎と獅郎は彼らが監禁されている別荘に乗り込んだ。
一狼は、そのビル爆破事件で両親を失っている。幸子が一狼に「ごめんなさい、ごめんなさい…」と謝罪を繰り返す一方、「俺だけのせいじゃない。なんでこんな事に巻き込まれなきゃなんねえんだよ」とまったく反省の色を見せない匡に一狼の怒りが爆発した。
「遺された人たちの心をズタズタに切り裂いて、それでもまだそんなことが言えんのか!」匡にナイフを向け、涙で匡にやり場のない怒りをぶつける一狼。獅郎は両手でその手を優しく包み、「半分もらうな」と、そっとナイフを抜き取った。
「2人が出会ってくれて良かった…」視聴者感激
両親を殺された怒りを自分の中に閉じ込めて生きてきた一狼。彼がその苦しみを初めて爆発させたこのシーンはまさに、ドラマのクライマックス。内からあふれ出る長年の怒りと、それでも匡に危害を加えてはならないという理性が葛藤する様子を、鈴木が壮絶に表現する様子は圧巻。
そして、出会ってから急速に一狼との絆を深めていった獅郎のふるまいも胸を打った。匡に馬乗りになりナイフを構える一狼を止めることなく見守り、最後はその怒りを鞘(さや)に収めるようにそっと、一狼の手を包み込んだ。消えることのない一狼の怒りを共に引き受ける「半分もらうな」の一言に、獅郎の大きな包容力と2人の絆の強さが垣間見える。