祝!デビュー20周年のゆず「僕らは死ぬまでゆずなので」
デビュー20周年を記念して4月26日に初のオールタイムベストアルバム「ゆずイロハ1997-2017」をリリースするゆず。路上ライブから始まった2人の歩み、また、今だから話せることなどについてインタビューを敢行。アコースティックギター、ハーモニカなどを使い、横浜の伊勢佐木町の路上で歌っていた2人。路上でのラストライブには、7000人もの人を集めたが、20年前を振り返り「このままやってても、日の目を見ることはないと思っていた」と2人は、口をそろえる。
岩沢厚治:だって、ただ道端で歌ってる人がデビューできるわけがない。そう思いません? だから、絶対に日の目を見ない。というか、むしろ日の目を見たくなかった。僕らにとっては“練習場所”だったので、立ち止まってもらっちゃうと、逆に困っちゃうみたいな(笑)。そんな感じでした。
北川悠仁:路上は好きだけど、ずっとここでやっていてもしょうがないのかなぁと思ってたときに、今の事務所の社長に出会って。『まずはここで頑張りなさい』と声を掛けてもらったんです。それで、ここにも太陽が昇るんだ!って(笑)。僕らからしたら、奇跡が起きたような出来事でした。
1997年10月にインディーズアルバム『ゆずの素』で音楽シーンに登場した2人。以来、1度も休まず活動を続けている彼らが、初のオールタイムベストアルバム『ゆずイロハ 1997-2017』を4月26日にリリース。「イ」「ロ」「ハ」と名付けられた3枚のディスクに、全255曲の中から北川がセレクトした楽曲50曲を収録。ゆず20年の軌跡が詰まった作品となっている。
北川:これを聴いてもらえれば、ゆずってこういうグループなんだよというのが分かってもらえて、なおかつ僕たちの音楽の面白みも感じてもらえる作品になればいいなと思って作りました。僕らは20年間、アルバムという作品にこだわり続けてきたので、ベストとはいえ、曲順も含めて“作品”として聴けるものにしたいと思っていたんです。でも…255曲から絞っていく作業はちょっとイヤでしたね(笑)。日々頭から離れなくて。ああでもない、こうでもないと、パズルのように考えていました。
岩沢:こういうのって選曲者が多いと本当選べないし、進まないんですよ。取材とかでもよく、『一番好きな曲は?』とか聞かれますけど、全部だ、バカヤロー!って(笑)
北川:だめだよ。この後、その質問きちゃうかもしれない(笑)
岩沢:(笑)。逆に聞きたくなっちゃう感じなので。それぐらい難しい話で。だから、今回僕は半分以上ノータッチでした。『決まりました』『じゃあ聴いてみます』って、これぐらいのやりとりで。でも、アルバムやカップリングの曲でもライブではおなじみだったりするので、わりと自分たちとの距離が近い曲が多い印象でしたね。ただ、255曲から50曲を選んでる以上、何であの曲が入ってないんですか?というのは多分あると思うんです。いろいろ意見はあると思うんですが、そこは申し訳ないけど無視します(笑)。そういうアルバムです(笑)
そんな2人はデビュー20周年にして初めてドームツアーを開催する。この20年を振り返っての感想をあらためて尋ねると――。
北川:20年、よくやってこれたなって思うんですよ。正直キツい時期もあったんですけど、今思うのは、ゆずで良かったということ。やっとそう思えるようになりました。もしかしたら来年あたりまた悶々とするかもしれないけど、僕らは死ぬまでゆずなので。
2人のインタビューの全文、またアルバムタイトルになぞらえてゆずにまつわる“イロハ質問”などは発売中の週刊ザテレビジョン2017年18号に掲載。
取材・文=片貝久美子
写真左から北川悠仁=77年1月14日生まれ、横浜市出身。岩沢厚治=76年10月14日生まれ、横浜市出身。96年3月に結成し、横浜・伊勢佐木町で路上ライブを行うようになり、97年デビュー。「夏色」、アルバム『ゆず一家』がヒット。以降、NHKの連続テレビ小説「ごちそうさん」(13年~14年NHK総合ほか)の主題歌やNHKのアテネ五輪テーマソングなどを手掛け、ヒット作を次々発表。5月3日(水)から愛知・ナゴヤドームを皮切りに「YUZU 20th Anniversary DOME TOUR 2017 ゆずイロハ」をスタートさせる。